自由自治都市・堺の発展へ
前進さらに 竹山市長が訴え
政令市の権限をフル活用して
10日告示された堺市長選(24日投票)は、現職の竹山おさみ氏(67)と大阪維新の会の元府議、永藤英機氏(41)との一騎打ちの大激戦になっています。堺市を廃止し権限と財源を「カジノ誘致」など大型事業に使う「大阪都」構想にきっぱり反対し、「堺はひとつ。自由自治都市堺の発展を」と訴える竹山氏に対し、維新陣営は大阪府知事と大阪市長を先頭に堺の自治を上から押しつぶそうと、「都」構想を隠して「堺は停滞」とまやかし宣伝を続けています。2期8年の豊かな実績とビジョン、「都構想ノー、堺をなくすな」と立場を超えて力を合わせる堺市民の共同こそが勝利のカギとなっています。
大激戦 堺市長選
「堺の発展と市民の幸福を願う、それが市長の最大の責務。市民に寄り添い働く市長として、この堺をさらによくしていきたい」。堺市長選が告示された10日、竹山氏は市内各所でマイクを握り、そう訴えました。
「『都』構想のまやかしが明らかになってきた」と述べ、争点にしないと維新が「都」構想を隠す一方、大阪府、大阪市で「都」構想議論が再び加速する矛盾を指摘。「『都』構想は堺の市民が築きあげた歴史や文化、そして自治の思いと全く違うもの。『都』構想は市民にとって百害あって一利なし」と述べ、「都」構想ノーの判断を突きつけようと訴えました。
竹山氏は、「堺の借金が1千億円増えた」と維新陣営が繰り返す宣伝に対し、増えたのは国の借金である臨時特例対策債だと指摘。2期8年の取り組みの成果を示し、子育て、歴史文化、ものづくりなど着実に成長を続けていると強調し、企業本社の堺市への移転や製造品出荷額が全国6位だと示し、「ものづくりの力もだんだん大きく発展している」と強調しました。
竹山氏は、自由自治都市堺の主人公は市民だと語り、市民の願いに寄り添った市政運営を続けると表明。「これまでも堺はひとつ、そしてこれからも堺はひとつ。堺市の政令指定都市の権限をフルに活用し、住んで良かったと思えるまちづくりを進めていく」と訴えました。
維新はうそとごまかしに終始
都構想 百害あって 一利なし
堺市長選は4年前と同様に「大阪都」構想の是非が最大の焦点。維新陣営は「4年間は議論しない」などと争点を覆い隠し、松井一郎府知事と吉村洋文大阪市長が連日堺入りして「竹山市政が借金を増やした」など事実をゆがめるうその宣伝を繰り返しています。
告示日の10日、永藤氏の応援に駆け付けた吉村氏は、「堺の借金は増えている。おかしいですよ。変えていかなきゃなりません」と竹山市政にかみつき、松井氏も「相手陣営は『堺をなくすな』そればっかり。堺はなくなりません」と、維新候補が敗れた4年前の市長選と同じ言い訳を繰り返しています。
しかし、どれだけごまかしを重ねても、政令市を廃止・分割する「都」構想の狙いは隠せません。大阪維新の会の政治資金パーティ(5日)で吉村市長は、「山の頂上は特別区」とし、「総合区」の議論は来秋の住民投票に向けた「カムフラージュ」戦略だと発言。2日後の記者会見で「言ったことは事実で間違いない」と語っています。
告示前の7日に竹山、永藤両氏が直接激しい論争を交わした公開討論会。
「『都』構想は政令市を廃止・分割してその権限を大阪府に吸収するもので、堺市にとって百害あって一利なしだ」と竹山氏が主張すると、永藤氏は大阪消防庁の創設や水道事業の府域一元化を進める考えを表明しました。
これに対して、竹山氏が「『都』構想の一番大きな肝だ。堺市における『都』構想の検討にほかならない」と指摘しました。
「維新は堺を『都』構想に組み入れようとして、決してあきらめてはいない」「『都』構想はずっと先のことではなく、今ここにあることだ。堺のことは堺で決める。私は市民と絆を強め、市民に寄り添った堺市政をつくっていく」と訴えました。
どちらが停滞し成長しているかは明らか
竹山市長の訴え(要旨)
堺は中世から自由・自治都市です。まちの発展を願い、市民の幸福を願う、それが市長の最大の責務です。隣の市長や知事に引っ張っていかれて自分の言葉でしゃべれない市長はあかんと思います。市民の思いをしっかり組みとって市民に寄り添い働く市長としてこの堺をよくしていきたい。
「都」構想のまやかしがあきらかになってきました。「カムフラージュ」ということで、ほかの案を利用し、堺でも「都」構想隠しが行われています。来年秋の大阪市の住民投票で勝ったら堺と協議すると知事は言っています。「都」構想は、堺の市民が築きあげた歴史や文化、そして自治の思いとまったく違うことを確認したい。「都」構想は、市民にとって百害あって一利なしです。
相手側陣営からまったく事実と違うことがのったビラがでています。堺市が1千億円借金を増やしたというのは、先日の市議会でも議論され論破されました。増えたのは国の借金である臨時財政対策債で、橋下前知事も「これは国の借金だ」と言いましたが、維新の会はそれを足して書いています。
「停滞か、成長か」と言いますが、この2期8年、子育てと歴史文化、ものづくり、安心安全のまちづくりと着実に成長しています。無料の放課後学習をしっかりやって子どもの学力も向上しています。
堺の誇りである仁徳天皇陵をはじめとする百舌鳥・古市古墳群が世界文化遺産の国内推薦を得られました。10年間に及ぶ市民の皆さんの地道な清掃や啓発活動があったからです。1600年にわたって古墳群と一緒に生活してきた堺市民の誇りです。
2年後にはユネスコの登録を得られるよう頑張ります。これから世界の皆さんに堺に来ていただくために、絶対必要なことです。古墳群を見てもらい、堺全体を周遊していただく。泉州9市4町一緒になって、観光ルートをつくっていきたいと思います。
ものづくりの力も大きな発展を見せています。5年間で企業の本社が28社増え、製造品出荷額は3兆8千億円で全国6位、1人当たりでは政令市1位です。企業が堺にどんどん来ているのは、分厚い中小企業の集積があるからです。大阪市では企業本社が468社減りました。堺では住民税を払っている人も、1年間で4500人増えました。どちらが停滞し成長しているのかは明らかです。
堺市の政令指定都市の権限をフルに活用して歩みを進めていきます。堺で暮らす皆さんが、この町に住んで良かったと思えるように、堺のまちをしっかり発展させていきたい。
これまでも堺はひとつ、これからも堺はひとつで。堺のことは堺で決めていく。地域の皆さん、周辺市の皆さんと連携していくそんな堺市をつくっていきたいと思います。
(大阪民主新報、2017年9月17日付より)