堺市長選 大激戦のまま24日投票へ
市民の共同で勝利を 竹山候補、全力で訴え
「自由自治都市堺を守り市民福祉の向上とまちづくりを進めたい」――24日に投開票される堺市長選で、堺市を廃止・解体する「大阪都」構想に反対を貫く現職の竹山おさみ候補(67)は、「百害あって一利なしの『都』構想に審判を」と訴え。連日各所で市民の元に駆け寄って固い握手を交わします。「都」構想を隠して「停滞か成長か」と主張する維新、永藤英機氏(41)との一騎打ちですが、選挙戦は大激戦のまま、投票日を迎えます。
政令市の権限と財源を生かして
堺市長選は、「堺はひとつ、堺をなくすな」を合言葉に維新候補に勝利した前回4年前と同じ対決構図です。10日の告示日以降、竹山候補は市内各地で演説に立ち、「市民の皆さんと一緒に堺市を守り、市民福祉の向上とまちづくりの取り組みを進めていきたい」と強調。政令市が持つ最大の権限と財源を生かし、公約に掲げた18歳医療費助成や第2子保育料無償などの政策実現に全力を挙げると訴えています。
大阪維新の会の吉村洋文政調会長(大阪市長)は、今月開いた維新会合で「堺(市長選)、負けられない。『都』構想進めていくうえでも」「堺の選挙で勝つか負けるかは、大阪市議会の議論にも波及」すると言及しました。
堺市長選の結果が「大阪都」構想に影響すると本音を漏らしたように、「『都』構想は争点ではない」「任期中は議論しない」(永藤候補)などの主張のごまかしは明らかです。
選挙本番に入っても、維新代表の松井府知事と吉村氏は連日堺入りし、「必ず『都』構想を実現させますから」、堺市民は「(それを見て)判断していただいたらいい」と呼び掛けるなど、「都」構想への執念を露わにしています。
市長選をめぐるこの動きに、市民も一歩も引かずに反論。「堺はひとつ 笑顔でつながる」市民の会会長の辰野邦次さん(堺市商店連合会会長)は、「なぜ2人の首長(大阪府・大阪市)が、政令市・堺の市長を引きずり降ろしにくるのか」「堺を消滅させるのか、未来につなげていくのかが、私たちの争点」と応援演説で訴えました。
3連休最終日の18日午後、自由自治都市堺を守り発展させたいと願う多くの市民が堺市内でリレートーク。歴史と伝統ある堺市を廃止する「都」構想反対の「大義」を表す市民共同の合言葉「堺はひとつ!」とコールしました。
「身を切る改革」のでたらめぶり
維新の松井一郎代表(府知事)は、「身を切る改革」「既得権益の打破」などを“実績”と言いますが、身内の不正をかばい、疑惑解明に背を向けてきた姿勢は、誰の目にも明らかです。
松井知事は「既得権益の打破」とうそぶき、竹山氏3選を期す各政党を「自共民の野合」とののしり、「議員の身分を守りたいだけ」と攻撃しています。しかし、元維新の堺市議2氏の約1300万円もの政務活動費の不正使用疑惑をめぐり、百条委員会の設置や辞職勧告決議に反対したのが維新です。松井知事も会見で「(辞職すべきだが)今はわが党の議員じゃない」と言い放つなど、党代表として政治責任を放棄した無責任な発言に終始しました。
森友学園疑惑をめぐっても、大阪府議会の百条委設置に反対し、さらに府私学審議会で疑問と懸念が噴出する中で、学園小学校新設を「認可適当」とした松井知事の責任は、決して免れることはできません。
「子育てのまち」「歴史文化のまち」「ものづくりのまち」への挑戦を進めてきた竹山市政は、国保料8年連続引き下げ、医療費助成を中学卒業までに拡充、「おでかけ応援バス」全曜日利用可能に拡充するなど、豊かな実績を積み重ねてきました。
大阪都構想に再びノーの審判を
竹山氏は「堺はいま、まちも人も元気。政令市としてしっかり発展させていきたい」と決意を語り、「一人一人の市民が力を合わせ、お互いに助け支え合ってこのまち堺の発展を進めていく。市民が主役でメンバーシップを発揮する、そんな地域社会を実現したい。それが自由自治都市の伝統です。堺のことは堺で決める。百害あって一利なしの『都』構想に、再び審判を突き付けましょう」と呼び掛けました。
(大阪民主新報、2017年9月24日付より)