核兵器のない世界つくろう
国連で禁止条約の署名始まる
「平和の波」行動 世界各地で
核兵器を法的に禁止する核兵器禁止条約の署名が国連本部で始まった20日、各国政府に条約参加を迫る世界同時行動、「平和の波」行動が、日本を起点に全世界でスタート。大阪でも各地で、署名行動やアピール行動などが行われました。
ヒバクシャ国際署名呼び掛け
大阪原水協
大阪原水協(岩田幸雄理事長)が大阪市中央区・難波の髙島屋前で行った「平和の波」宣伝行動には12団体30人が参加。「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える国際署名」(ヒバクシャ国際署名)を呼び掛けました。
リレートークで岩田幸雄理事長は、北朝鮮の核開発をめぐり国際的な緊張が高まる中、核兵器による脅し合いではなく、唯一の戦争被爆国である日本の政府が平和的・外交的な解決で世界をリードすべきだと強調。「核兵器禁止条約を実現したのは、核兵器廃絶を願う被爆者や日本と世界の草の根の世論と運動の力。核保有国が核兵器を放棄する時代をつくるために、みんなで力を合わせましょう」と訴えました。
広島市出身で滞在先のイギリスから帰国し、関空経由で難波に着いたという女性(31)も署名。「日本はアメリカにつき従うのではなく、核保有国に対して核兵器をなくすよう訴えるのが本当の役割。そのためにも条約に調印すべきです」と話していました。
〝核兵器廃絶を見届けるまで〟
署名推進へ連絡会
被爆者が呼び掛け
「ヒバクシャ国際署名」の運動推進のための「大阪連絡会」発足への準備が進められています。
大阪連絡会を呼び掛けたのは、府内5市の原爆被害者の会会長で、浦田月子(岸和田市)、阪口善次郎(吹田市)、友清克二(門真市)、森容香(枚方市)、山川美英(寝屋川市)の各氏。現在、20を超える大阪の市民団体、平和団体などの賛同を得、今年度中に発足集会を予定しています。
「平和の波」初日の20日に行われた会見には、4歳の時に広島の爆心地1・5キロの地点で被爆した山川さんと、5歳の時、爆心地1・8キロで被爆した森さんが出席。両氏はそれぞれ自身の被爆体験を語り、核兵器禁止条約について、「核兵器はあって当たり前だという常識を、なくて当たり前に転換した画期的で歴史的な条約」(山川氏)、「採択されてとてもうれしかった。生き地獄を見てきた。もうあんな怖い思いを子どもや孫にさせたくない」(森氏)と語りました。
その上で連絡会発足に向けて、「被爆者は高齢で動くのが大変になってきている。これが僕たちの最後の仕事。核兵器がなくなるのを見届けるまで頑張りたい」(山川氏)、「たくさん署名を集めて、みんなで核兵器はいけないという気持ちを表したい」(森氏)と述べました。
会見に同席した大阪原水協の岩田幸雄理事長は、「被爆者の皆さんはやむにやまれぬ思いで腰を上げられた。核兵器をなくすの一点で大同団結して行動を起こしていきたい」と語りました。
平和のメッセージ風船に乗せ
西淀川
大阪市西淀川区では、核兵器廃絶の手書きメッセージを結んだ風船を大空に飛ばしました。原水爆禁止西淀川区協議会と西淀病院が企画。20日の正午過ぎ、西淀病院前で行われたスタート宣言集会には50人が参加し、淀川勤医協の長瀬文雄副理事長が「平和と核兵器廃絶を願う私たち一人一人の声を世界中へ届けていこう」とあいさつしました。
日本共産党の北山良三衆院大阪5区候補が連帯あいさつし、「平和も暮らしも破壊する安倍政権を倒し、核兵器禁止条約を批准する政府をつくるため、全力で頑張りぬく」と訴えました。
この日のために準備した色とりどりの風船300個には、「戦争のない社会を」「核兵器をなくして」などと書いた手書きメッセージカードが結び付けられていました。司会者の合図に合わせていっせいに風船を離すと、風に乗って空高く上がっていき、拍手と歓声が起きました。
第2次大戦中の大阪大空襲で防空壕に避難した経験もある竹本妙子さん(75)は、「子どもたちの世代に世界中から戦争がなくなり、本当に平和な社会が実現するよう願っています」と話していました。
戦争あかん!西淀川実行委員会は、区内全域での署名活動を計画。「ヒバクシャ国際署名」の全戸訪問活動、区内4駅頭での宣伝・署名などを行っています。
(大阪民主新報、2017年10月1日付より)