2017年11月03日
大阪市議会
民営化推進で公的責任放棄
公営企業決算 井上議員が反対討論
10月25日の大阪市議会本会議は、2016年度公営・準公営企業会計決算を日本共産党以外の賛成で認定しました。反対討論に立った日本共産党の井上浩議員は、決算にあらわれているのは来年度から大阪市営地下鉄・バスを民営化するとともに、その他の事業も民営化を進めて大阪市の公的責任を大きく後退させようとする姿だと主張しました。
地下鉄事業については、国土交通省も全国の鉄道事業者も本格的な転落事故防止策に乗り出しているのに、大阪市では橋下徹前市長が民営化を打ち出して以来、多額の費用を必要とする可動式ホーム柵の設置にブレーキをかけ、地下鉄民営化の資金計画ではホーム柵設置費用も河川氾濫浸水対策も見込まれていないと批判。
「鉄道事業者にとって最大の使命である安全対策・災害対策を軽視する姿勢は決して容認できない」と述べました。
港湾事業については、万博誘致がらみの土地造成基盤整備や鉄道整備で埋立会計に多額の費用負担が計画され、カジノを核とした統合型リゾート(IR)誘致ではカジノ事業者の負担もまったく不透明だと指摘。「ハイリスクで無謀な万博・IRの誘致が、『いつか来た道』を再び歩むことは必至」と警告。「暮らしに役立つ事業が遅れる一方で、巨大開発は前のめりで推進するなど、市民の安全・安心を守るべき地方自治体本来の役割を投げ捨てる姿勢は、到底認められない」と断じました。
(大阪民主新報、2017年11月5日付より)