2017年12月10日
大門実紀史の国会レポート
「名前を変えないで」
選挙で後退するたびに支持者の皆さんから、「党名を変えたらどうか」という善意の意見が寄せられます。
共産党という名前は、いずれ資本主義社会をのりこえて真に人間が豊かにくらせる未来社会(社会主義・共産主義)をめざすという党の綱領にもとづくものです。綱領をそのままにして党名だけ「〇〇党」に変えても、(共産党)とカッコ付きで呼ばれ続けるだけでしょう。
綱領があるからこそ日本共産党の存在意義があります。当面の政策が的確であり姿勢がぶれないのも綱領という屋台骨がしっかりしているからです。綱領をふくめ日本共産党の姿をまるごと知ってもらう努力がもっと必要だと痛感しています。
かつて国会で論戦相手だった竹中平蔵氏(元・経済財政担当大臣)は、新自由主義派の経済学者でしたが、資本論やわが党の綱領にも詳しく、立場は一八〇度違っても日本共産党に一定のリスペクト(尊敬)を抱いていた人でした。
ある時、私に「日本の政党は自民党の改革派(新自由主義派)と共産党だけでいい。あとは中途半端な連中だ」と語ったことがあります。資本主義を未来永劫に続くものとして全面的に肯定する新自由主義と、資本主義はのりこえられると考えるわが党の綱領路線の対決こそ本物の対決軸だという意味でした。
いまや学者というよりビジネスマンと化した竹中氏ですが、それだけに、聞けば「共産党だけは共産党のままでいてほしい」と言ってくれるのではないかと思います。(だいもん・みきし 参院議員 第2週掲載)
(大阪民主新報、2017年12月10日付より)