市長は説明責任果たせ
岸和田市議会が全員協議会
岸和田市の信貴芳則市長が4年前の市長選の際、自民党の推薦を得るため当時の支援者に200万円を渡していた問題で、岸和田市議会は1日、全員協議会を開きました。
「信頼回復に努める」信貴市長が陳謝
信貴市長は冒頭、4年前の市長選の際「2回にわたって現金100万円を渡したことは事実」と述べ、「党支部での私の立場がよくなるならと思い、言われるままに渡した」「領収書がなく、収支報告書に記載がないままとなった」と釈明。「今回の選挙戦は4年前の選挙のしがらみを断ち、市民一人一人と対話し、政策を訴える草の根の選挙戦を展開した」と説明し、あらためて「市民に深くお詫び申し上げます」と陳謝しました。
信貴市長は、全員協議会で「推薦を得るための政党への寄付だった」と公職選挙法上の買収には当たらないとの認識を示し、「引き続き信頼回復に努める」「市民に寄り添って選挙で約束したことを丁寧に進めていきたい」と述べました。
日本共産党の中井良介市議は、一連の問題について「『政治とカネ』に関わる重大問題だ。事前に知っていれば、前回も今回も私たちが自主的に支援することはあり得なかった」と強調。200万円が収支報告書に記載されていない問題を取り上げ、「(報告書に)書くことができないような裏金というべき金が、自民党の推薦を得るために使われた」「ことは自民党内部だけの話ではない。岸和田市長選の候補を誰にするかという問題で、推薦過程を有利にするために200万円が使われた。市長の座を200万円で買ったと言われても仕方がない」と批判しました。
中井氏は、今回市長選で、党員名簿と70万円の党費を自民党支部長に渡そうとした問題について、「推薦を得るための、名前は党費だが、現金が動く似た事態」だと指摘。「市長自らが一点の曇りもないところまで説明することが必要」と、事実の解明と説明責任を果たすよう強く求めました。
日本共産党の澤田和代議員は、「こうした事態を招いたことを真摯(しんし)に受け止めるなら市民に対して信を問うことも考えられる」と述べ、「『政治とカネ』の問題が市民の信頼を裏切っている。金権政治を断ち切る決意が示されなければ、市政をまかせることはできない」と強調しました。
(大阪民主新報、2017年12月10日付より)