2017年12月16日
姉妹都市 解消撤回の決議案を否決
大阪市議会本会議 山中共産党市議団幹事長が討論
米サンフランシスコ市の「慰安婦」像の市有化で、吉村洋文大阪市長が両市の姉妹都市提携を解消する意向を示す中、12日の大阪市議会本会議で、日本共産党が提出した「姉妹都市提携解消の撤回を求める決議案」は、同党以外の反対多数で否決されました。
同党の山中智子幹事長は解消撤回を求める決議案への賛成討論で、吉村氏が「慰安婦」像の碑文に「不確かで一方的な主張だ」とクレームをつけたことに関して、河野官房長官談話(1993年)、東京高裁判決(2003年)などを紹介。「『慰安所』の設置や『慰安婦』の移送に旧日本軍が直接・間接に関与し、多くが強制的に連行され、生活も極めて屈辱的だった。これらにこそ問題の本質がある」と強調しました。
さらに今回の「慰安婦」像の受け入れは、女性の国際的な人権保障を求める流れに沿ったものであり、「日本や大阪市への批判だという市長の主張の根拠とはなりえない」と指摘しました。
山中氏は、そもそも姉妹都市提携は文化や歴史、政治的な考えの違いを超えて、都市間・市民間の友好・親善の絆を結び、強めるという互いの意志の下に成り立つと力説。「政治的な考え方の違いを理由に解消することは、およそ地方自治体の長のなすべきことではない」と断じました。
本会議では、像の撤去などに取り組むよう国に求める意見書案(自民提出)、像の受け入れなどに反対する決議案(同)を、日本共産党以外の賛成多数で可決。姉妹都市提携解消を求める決議案(維新提出)、姉妹都市交流継続を求める決議案(自民提出)は、いずれも反対多数で否決されました。
(大阪民主新報、2017年12月17日付より)