府民の暮らし・安全守れ
府議会決算特別委 宮原府議が知事質問
日本共産党の宮原威府議は11月30日・12月5日の府議会決算特別委員会で質問に立ち、8日には松井一郎知事に質問しました。
松井知事に対し、宮原府議は、府営住宅の新たな建設や救命救急医療の充実など、「一般会計を使わなくても府の姿勢と工夫次第で着手できた」と示しました。松井知事は具体的な質問にいっさい答えず、「財政は厳しい」などと繰り返しました。
松井知事は、小中学校での35人以下学級や集中豪雨対策など府民の生命と財産を守ることにつながる施策に背を向ける一方、高速道路や鉄道新線、湾岸部開発などを「人口が減少するという指標に対して挑戦している。定住者と訪れる人を増やすために必要なインフラは、スピード感を持って進める」と正当化しました。
パーティー券「責任感じぬ」
また、府から771万円の補助金を決算年度に受けた企業が、松井知事が代表を務める大阪維新の会のパーティー券を40万円分購入していることを宮原府議は指摘し、「返還する気はあるか」と問いましたが、松井知事は「道義的責任は感じていない」と述べました。
「なにわ筋線」に2千億円も
阪神高速淀川左岸線の延伸部や2期事業などで、将来の交通量予測が過大になっている可能性を宮原府議は指摘。鉄道新線「なにわ筋線」について、梅田から関西国際空港まで「5~10分程度」短縮するために「2千億円近い税金を投じるのは疑問だ」と批判しました。
宮原府議は、こうした高速道路や鉄道建設計画について「日本は需要予測が外れてきた歴史がある。今後は人口減少や超高齢化社会に入る」とし再考を強く求めました。
「二重庁舎」の弊害を指摘し
府の咲洲庁舎(旧WTCビル)について、安全性やコスト面の問題を宮原府議は示し、大手前庁舎への集約を検討すべきと主張しました。
咲洲庁舎は購入費や改修など整備費に約125億円、維持管理費と計画修繕費などを含めて153億円が2016年度までにかかっています。
咲洲庁舎の計画修繕費は今後30年間で228億円と、大手前庁舎の99億円より圧倒的に高く見積もられています。両庁舎間を行き来するシャトルバスは片道40分を1日3往復、年間約1万1400人が利用。職員の通勤手当も高くつくなど「二重庁舎」の弊害は多く指摘されています。
治水目標の大幅な前倒しを
集中豪雨などに対応する府の治水目標は、時間雨量65ミリの場合に床上浸水が起こらないことを目指し進められていますが、決算年度の予算水準では目標達成に約40年かかることを府は認めました。宮原府議は「府民の安全を守るのは府の責任。せめて10~20年で終えよ」と求めました。
良質な府営住宅を新設せよ
宮原府議は府営住宅応募倍率が高いところで50倍以上にもなっているとし、売却予定地の一部活用で新たに住宅を建設できたはずだと指摘。約2200戸を予定する今後の耐震改修には30億円程度支出が見込まれますが、府営住宅整備基金残高は約205億円あり、「基金を使えば1千~1500戸は新たに建設できる」と主張しました。
決算委員会の議員は20人で、議長を除く19人が質問できますが、知事質問をしたのは宮原府議のみ。委員会の最後に行う議案への態度表明も宮原府議だけでした。
(大阪民主新報、2017年12月17日付より)