核兵器は違法 一日も早く廃絶を
ヒバクシャ国際署名推進へ
「大阪の会」発足〝隅々に広げて〟
ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶署名をひろげる大阪の会(略称「ヒバクシャ国際署名推進・大阪の会」)の発足総会が18日夜、大阪市中央区内で開かれ、150人が参加しました。ことし7月、人類史上初めて核兵器を違法化する国連の核兵器禁止条約が採択されるなど画期的な情勢が開かれる中、一刻も早く核兵器をこの世からなくすため、「ヒバクシャ国際署名」の府民過半数目標達成へ、府民に協力を呼び掛けるアピールを採択しました。
禁止条約採択とノーベル賞
「大阪の会」は岸和田、吹田、門真、枚方、寝屋川の5市の原爆被害者の会会長がことし9月に結成を呼び掛けていたもの。平和・市民団体などとの懇談会を重ね、この日の総会を迎えました。
呼び掛け人を代表して、枚方市原爆被害者の会の森容香さんが開会あいさつ。5歳の時、広島で爆心地から1・8㌔㍍の地点で被爆した当時の惨状を振り返り、「生き地獄を見て来た。戦争は絶対駄目との思いで生きてきた」と語りました。
核兵器禁止条約の採択、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のノーベル平和賞受賞は「とてもうれしく、被爆者にとって画期的な年になった」と森さん。「でも、これで終わりではない。大阪全体に署名が広まるよう、皆さんの協力を」と語りました。
一点での大同団結で世論を
寝屋川市原爆被害者の会の山川美英さんが報告し、日本政府が核兵器禁止条約に反対していることは「恥ずべきこと」と強調。主義・主張の違いを超えて、核兵器廃絶に向けて「ヒバクシャ国際署名」を集めるという一点で大同団結し、府民世論を高めようと訴えました。
総会には松井一實広島市長、田上富久長崎市長、松井一郎知事、吉村洋文大阪市長はじめ府内31自治体の首長、日本共産党府委員会、立憲民主党府連、社民党府連、新社会党府本部、自由党府連、公明党府本部からメッセージが寄せられました。
総会では代表世話人に吹田市原爆被害者の会会長の阪口善次郎、寝屋川市原爆被害者の会会長の山川美英、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)大阪府支部長の安田正幸、大阪YWCA運営委員の津戸真弓、しない、させない!戦争協力関西ネットワーク代表の中北龍太郎、大阪憲法会議幹事長の丹羽徹の各氏を選出。事務局長に日本反核法律家協会理事の梅田章二弁護士を選びました。
運動への協力呼び掛け
「ヒバクシャ国際署名推進・大阪の会」は賛同団体・個人の協賛金・寄付金で運営。広く協力を呼び掛けています。連絡先は寝屋川市原爆被害者の会072・824・1181(寝屋川市立総合センター内)、または大阪原水協06・6765・2552。
日本は禁止条約に調印・批准を
木戸季市日本被団協事務局長が記念講演
総会では日本被団協の木戸季市事務局長が「核兵器の終わりの始まり」と題して記念講演しました。
木戸氏は、安倍晋三首相が「北朝鮮の脅威」をあおり、米国が北朝鮮の核保有・核実験を敵視していることについて、「それなら米国も核保有・核実験も許されない。核兵器は必要悪ではなく、絶対悪だからだ」と力を込めました。
「米朝の脅し合い、危機的状況を解決する道筋はある」と木戸氏。戦争被爆国である日本がまず、核兵器禁止条約に署名・批准し、米国、北朝鮮に対して同条約に署名・批准するよう働き掛けることにあると述べました。
二つの使命は同時に人類の課題
木戸氏は5歳の時に長崎で被爆し、戦後、自らが被爆者であることを隠していたが、被爆者運動に参加してきた歩みの中で、「私は少しずつ、『真の被爆者』になってきた」と強調。「二度と被爆者をつくらないために核戦争を起こさせず、核兵器をなくす。原爆被害者への国家補償を勝ち取る。この2つが私たちに歴史から与えられた使命。これは被爆者の課題であると同時に人類の課題だ」と力説しました。
(大阪民主新報、2017年12月24日付より)