学ぶ権利守ろう 高校つぶしやめて
保護者・教職員らが集会
生徒数の減少を理由に公立高校を2018年度までに7校廃校にする計画を持つ府教委が、対象校2校の案を3日に発表した問題で、府高教は13日に「学ぶ権利をまもれ」と集会を開きました。当該校の保護者や教職員ら100人が参加しました。
咲洲と池田北を募集停止に
府教委が発表したのは、府立咲洲高校(大阪市住之江区)と同池田北高校(池田市)の2校を来年度から募集停止する案です。3年以上連続して募集定員を下回ったことなどを理由にしています。ほかにも2校をエンパワーメントスクールに、4校を普通科総合選択制から普通科専門コース設置校に改変するとしています。
集会で主催者あいさつした志摩毅委員長は「地域で学びたい子どもがいれば学校を維持するのが公立の役割だ。教育行政の転換が求められている」と述べました。
不安を感じる保護者と生徒
咲洲高校の保護者は、「府教委の発表以降、いつもあいさつしてくれる子どもたちが会釈だけになっている」と明かしました。「少人数で子どもたちと先生が関われる時間が多い学校です。勉強嫌いで高校には行かないと言っていたわが子が、咲洲高校を見て『ここへ行きたい』と選び、受験勉強を頑張りました」、「子どもたちのために(撤回させるよう)頑張りたい」と話しました。
池田北高校の保護者は、「数%でも(存続する)望みがあるなら頑張らないと後悔する」と述べ、「少子化の中での育て方があるはず」と訴えました。
各校の府高教分会長らが、発表当日からの構内の様子を報告。会場からも「息子が来年高校受験だが、あと5校つぶされることを知っており、入学した高校が募集停止されたらどうしようと不安を感じている」など発言がありました。
「94・6%の子が高校進学を希望しているが府の計画進学率は93・9%しかない。高校教育を拡充する立場に立たず、つぶしてどうするのか」と、報告した与田徹府高教副委員長は批判し、「府の方針では全ての高校が受験生を落とさなければならなくなる。こういう世の中をいつまで続けるのか」と述べました。
府教委7校廃校に道理ない
府教委の7校廃校の前提はすでに崩れています。生徒数は18年度までに09年度の水準に下がるに過ぎません。09年度以降の生徒増では高校を増やしていません。
また公立の受け入れ比率が私学無償化で最も下がった12年度の数値を前提にしていますが、高校授業料無償化の見直しの影響もあり、比率は徐々に上がっています。
古久保豊府高教書記長は「道理のない高校つぶしを許せば、今でも行けない子がいるのにますます増えてしまう。みんなの気持ちを合わせて、学校を守る取り組みを進めたい」と述べ、署名運動や議員との懇談、マスコミへの投書など行動を起こそうと提起しました。
(2014年9月21日付「大阪民主新報」より)