おおさかナウ

2018年01月28日

「都」構想ストップの
アピールを大阪の各野党に

 日本共産党大阪府員会の中村正男副委員長から寄せられた手記「『都』構想ストップのアピールを大阪の各野党に」を紹介します。

日本共産党府副委員長 中村正男

 日本共産党大阪府委員会は1月9日、声明「『オール大阪』の共同で『大阪都』構想のための2度目の『住民投票』を断じて許さず、2018年を『維新政治転換』の年に」を出しました(本紙14日付に全文掲載。大阪府委員会HP参照)。

3つの目的、狙いをもって

 この声明は、新年最初の大阪府委員会総会で議論したものです。その狙いは3点あります。

 1つは、ことし2018年は、安倍改憲を許さない3000万署名をはじめ全国的な大きなたたかいが展開されますが、同時に大阪では、維新が再び「都」構想を狙い「住民投票」を企てている。これをストップさせる一大闘争が求められています。日本共産党大阪府委員会としての構えを示し、府民的にたたかいをよびかけることです。

 2つは、松井知事、吉村大阪市長が「法定協議会」=大阪府市大都市制度(特別区設置)協議会において出している新しい「特別区案(4区案と6区案)」の「中身のひどさ」と「やり方のひどさ」をうきぼりにし、警鐘を鳴らすことです。

 詳しくは声明を読んでいただきたいのですが、「中身のひどさ」という点では、2015年の住民投票で市民が「ノー」をつきつけたことへの総括も反省もなく、ただ「5区案」がだめなら、「4区案」か「6区案」というだけで、本質的に何ら変わらない案をだし、小手先の手直しをはかろうとして逆に矛盾を広げています。

 「やり方のひどさ」というのは、「ラストチャンス」(2015年の住民投票での維新のスローガン)に敗れながら、またぞろやりたい、「3度目はない」(松井氏)などというペテンもひどいものです。さらに今回、維新が公明党がいいだした「総合区案」を「カムフラージュ」にして、秋の住民投票は「特別区か、総合区か(原案は8区への合区案)」を選択するだけで、「いまの24区のまま」という選択肢を初めから排除してやろうというとんでもない企てを策そうとしていることです。

 およそ地方自治、民主主義とは無縁なこの策謀を断じて許すわけにはいきません。

 3つは、前回の住民投票は「オール大阪」の力で打ち破りました。2度目の住民投票を許さないたたかいも、「オール大阪」の陣で挑む。そのために日本共産党として手をつくす決意をのべました。

各野党の府連に届け、懇談

 大阪府委員会はこの声明を手に、すぐに立憲民主党、自由党、社民党、民進党の各府連に手渡し、懇談しました。

 立憲民主党大阪府連には柳利昭委員長と私で訪れ、森山浩行代表、尾辻かな子幹事長、辻元清美特別代表(国会対策委員長)に声明を渡しました。立憲民主党が府連をたちあげてから、日本共産党が公式に申し入れしたのは今回が初めてです。声明を手にした辻元さんは、前回住民投票時の写真をみて、「これ、(オール大阪で)やった、やった。今度もストップさせることが安倍さんの改憲を止めることにつながる」と語りました。

 その後、社民党府連の服部良一代表、酒井ひろゆき副代表には柳委員長とともに、自由党府連の渡辺義彦代表、民進党府連の林弘樹事務局長には中村がそれぞれ届けました。

 また「明るい民主大阪府政をつくる会」「大阪市をよくする会」はもちろん、「民意の会」の浅野秀弥代表、「大阪市を知り・考える市民の会」の中野雅司さんなど市民団体の方々にも届けています。

 懇談では、どこでも今回の「特別区案」の中身とともに、やり方のひどさが話題になりました。「新しい国会でさっそく『大阪都』問題をとりあげて、追及しています」「大阪は大阪としてぜひいっしょにやりましょう」「『大阪の怒り』をつきつけよう」などの声をいただいています。

 府委員会声明は各地区委員会や支部による、それぞれの地域、団体への申し入れ、懇談、つどいなどでも活用が始まっています。

 維新は16日に第6回法定協議会を開き、わが党の山中智子大阪市議団幹事長、自民党などからも根本にかかわる批判を浴びながら、「9月か、10月に住民投票ありき」で強行スケジュールの議論をすすめる構えです。

 大阪での野党と市民の共闘をさらに大きく発展させながら、「都」構想を許さず、維新政治の転換をめざす大阪ならではのたたかいと共同の課題として、さらに各野党、市民団体との連携を広げていきます。

立憲民主党の森山、尾辻、辻元氏と日本共産党の柳、中村氏

立憲民主党の森山、尾辻、辻元氏と日本共産党の柳、中村氏

社民党府連で服部、酒井氏と

社民党府連で服部、酒井氏と

自由党の渡辺氏と

自由党の渡辺氏と

民意の会の浅野氏と

民意の会の浅野氏と

  (大阪民主新報、2018年1月28日号より)

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