安倍9条改憲NO 3千万署名成功を
136人に手紙 返信に505筆
知人に呼び掛け「集める人」に
3千万署名達成必ず
憲法9条改憲を許さないため、3千万の声を集めようと、全国で集められている「安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名」(3千万署名)。堺市北区に住む巽照子さん(68)は、これまでに500人以上の署名を集めています。そのほとんどが、巽さんが協力を呼び掛けた知人が、家族や知り合いから集めてくれたものです。
堺市北区在住 巽照子さん
「きのうもお二人から合わせて110筆分が届いたんですよ」と巽さん。
一人は、巽さんが滋賀県の図書館で館長を務めていた時に出会った寺の住職。封書の中に11枚55人分の署名用紙が入っていました。もう一人は、大阪の図書館で働いていた時の上司。外出先に「集めたで」と誇らしげに11枚分持って来てくれました。
住職の署名にはさまざまな住所、元上司は自宅周辺の住所。「それぞれのつながりで集めてくださったようです」と巽さんは言います。
食卓の上には、全国各地から送られてきた署名用紙。巽さんも知らない人の名前がぎっしりと書かれています。
署名の多さ驚いている
巽さんが、署名協力を呼び掛ける手紙を送り始めたのは、正月明けの1月中旬のこと。年賀状を送った知人170人のうち、自ら署名を集めている人以外の136人に、お願いメッセージを添えて、署名用紙1枚と返信用封筒を郵送しました。
すると、1週間後ぐらいから続々と封筒が戻りだし、1カ月余りで、手渡しの人も含めて80人近くから500人分以上の署名が届きました。
「私自身が驚いてるんです。一声かけたら、これだけの方たちが集める側になって、それに応えて署名する人が。街頭で宣伝してもなかなか集まらないことも多いですが、宣伝を素通りしていく人の中にも、つながりを通して呼び掛けたら応えてくれる人がいることを実感しています」と巽さんは言います。
署名用紙は1枚しか送っていないので、自らコピーし、追加の切手も貼って複数枚送ってくれる人も少なくありません。沖縄の知人は、“コピーせずにうっかり自分の名前を書いて、すぐにいっぱいになり、アメリカから移住してきた知人も書きたいと言っているので、新しい用紙を送ってほしい”と連絡をくれました。
本気で署名に取り組む
長年、市民とともに図書館づくりや運営に取り組んできた巽さんは、「平和でこそ子どもたちも大人も幸せになる」と平和への思いを発信し続けてきました。
安倍政権の下、秘密保護法、集団的自衛権行使の閣議決定、安保法制(戦争法)など、「戦争する国づくり」が着々と進められ、総仕上げとして憲法9条に手が加えられようとしている中、「行動せずに放っておいたら、取り返しのつかないことになる。憲法が変えられて影響を受けるのは、未来に生きる子や孫たち。彼らに、なぜ変えたのかと言われないように、いまこそ頑張りたい」と思ったと巽さん。
本気で集めることへの決意を強くしたのは、昨年、取り組んだ解職請求(リコール)署名運動の経験でした。堺市では、大阪維新の会に所属していた小林由佳、黒瀬大両市議の政務活動費不正支出問題で、リコール署名を展開。巽さんも請求代表者になって集めました。
「頑張ったけど目標まではいきませんでした。そのことへの悔いが、3千万署名により本気で取り組むことに、さらに背中を押してくれました」
帰ってくる署名には、手紙が添えられています。
3人分の署名を送ってくれたTさんの手紙には、「私一人の署名では」と署名用紙をコピーして、自分が住むマンションの住人9軒に依頼したこと。「賛同いただけたのは2軒、家族全員でもありませんでした。もう少し集められると思ったのですが、お役に立てず…」と書かれていました。
「一人で勇気を出して行動してくれた彼女を思うと、涙が出てきて、私ももっと頑張らなければと思いました」と巽さん。
「3千万人集めるということは、国民・市民の3人に1人に署名してもらうということ。もっともっと呼び掛けていきたいです」と話します。
(大阪民主新報、2018年2月25日号より)