入院可能な医療機関を
住吉市民病院廃止 府医療審で意見
〝大阪市の覚悟伝わらない〟
大阪市立住吉市民病院(同市住之江区)の廃止に伴う病院(医療機能)再編計画案が、2月26日の府医療審議会で審議され、議論の末に条件付きで賛成とされたものの、地域に必要な医療を確保する覚悟が見えない大阪市に対し、跡地で暫定運営する診療所の医療機能を高めることや、その後に建設する新病院では住民のニーズを反映させることなど、多くの意見が出ました。
この日の医療審議会で大阪市は、市民病院跡地で暫定運営する住之江診療所(仮称)の診療を、週に小児科5日6コマ、産婦人科3日3コマへ、1コマずつ増やす考えを示しました。また市民病院の小児科入院が2月で終わることから、重度心身障害児の短期入所機能を1床引き継ぐ医療機関で、当初4月からの予定を3月からへ前倒しし、さらに民間の医療機関で同機能を1床確保できる見通しを明らかにしました。 委員からは、「市民の思いが(計画案からは)全く伝わってこない」、「小児科医と産婦人科医3人ずつを確保するなどの約束は実行されるべきだ」「直ちに医師を確保すれば、跡地に病床100床規模の公的な医療機関はできる」「重症心身障害児の短期入所の受け入れ先を確保すべく取り組んでいるというが、利用登録する44人は全く行き先が決まっていないと聞いている。(機能を引き継ぐ医療機関は)遠方が多く、入院時に付き添いも要求され、シングルマザーなどは条件が合わない。一般の病院でできないことがあるので、公的機関であれば税金の投入が可能であると考えると、やはりそういう機能を持った新病院が早急に必要だ」「跡地に入院の可能な医療機関を作ってほしい」などの意見が出ました。
茂松茂人審議会会長(府医師会会長)も、「大阪市は覚悟を持ってやっていただくと確証が得られれば、みんな『頑張って』というだろうが、なかなかそれが聞き取りにくい」と不満を漏らしました。
(大阪民主新報、2018年3月4日号より)