2018年03月11日
大門実紀史の国会レポート
さやのなかの刀
国会は、予算案の審議など1年で一番忙しい時期をむかえ、私も連日、質問の準備に追われています。
国会に来たばかりのころ、故・正森成二さん(元衆議院議員)の秘書をしていた方から、正森さんの質問は、きびしい追及をしても、相手の首のかわ一枚はかならず残しておくという人間的なやさしさがあったと聞き、感動しました。以来、そんな質問になるようにと心掛けてきましたが、まだまだです。
質問は人それぞれ、個性の表れでもあります。木刀で叩き割るような質問もあれば、居合抜きのように気が付いたら終わっていたという質問もあります。ときおり、刀を何本も用意しすぎて何が言いたいのか分からない質問もあったりしますが、それらも含めて、みんなちがってみんないいとおもいます。
黒沢明監督の映画「椿三十郎」に登場する家老の奥方は、抜き身の刀のようにギラギラしている三十郎に向かって、「本当にいい刀はさやに納まっているものですよ」と諭します。なるほど、質問でも、刀を抜くまでもなく相手を動かせればそれに越したことはない。
ちなみに、麻生太郎財務大臣は、とんでもない暴言ばかりを吐く人ですが、どういうわけか、私の質問には刀を抜かずとも最初から前向きに応えてくれることがあります。
ただこれは、自民党議員も「(麻生さんは)大門さんのことが好きなんじゃないの」と言うくらいなので、少し気持ちわるいですが、刀の有無とは関係のない話かもしれません。(だいもん・みきし 参院議員 第2週掲載)
(大阪民主新報、2018年3月11日号より)