おおさかナウ

2018年03月11日

森友文書改ざん疑惑
事実なら内閣総辞職に値する
参院予算委 たつみ参院議員が追及
〝法治国家として許されぬ〟

 日本共産党のたつみコータロー参院議員は5日の参院予算委員会で、学校法人「森友学園」と国有地取引をめぐり、財務省が作成し国会議員に提出された公文書が改ざんされていたのではないかとの疑惑を取り上げ、「法治国家として許されない」「改ざんが事実であれば内閣総辞職に値する」と安倍内閣の責任をただしました。

 改ざん疑惑が浮上したのは、国有地取引をめぐり近畿財務局が作成した決裁文書。契約当時の文書と問題発覚後に国会議員に開示された文書とでは、「特例的な内容となる」「価格提示を行う」などの文言がなくなっている疑惑があるとし、朝日新聞(3日付)が2015年の貸付契約と16年の売却契約の際の文書だと報じました。

質問するたつみ参院議員=5日、参院予算委員会

質問するたつみ参院議員=5日、参院予算委員会

捜査を盾に答弁を拒否

PowerPoint プレゼンテーション 土地取引をめぐって財務省前理財局長の佐川宣寿国税庁長官は、「(学園側)と事前の価格交渉はしていない」などと国会答弁で繰り返してきましたが、財務省が事前の交渉内容を隠すため、決裁文書を改ざんした疑いが持たれています。

 たつみ議員は、公文書改ざん疑惑の浮上で、森友学園問題は「全く新しい段階に入った」と切り出し、「事実なら内閣総辞職に値する」と厳しく指摘。「改ざんされる前の文書があるのか、無いのかはっきり答えていただきたい」と追及しました。

 財務省の太田充理財局長は、「お答えすることが捜査にどのような影響を与えるか予見しがたい」などと繰り返しましたが、文書の存在を否定しませんでした。

 たつみ氏は、「捜査への影響は理由にならない」と強調。「調査において真相を明らかにすることに、いったいどんな捜査への影響があり得るのか」「近畿財務局は改ざんした前の文書があるのかないのかどう言っているのか」と厳しく追及。国側は「捜査中のため」などと繰り返し答弁し、質疑はたびたび中断しました。

 たつみ氏は、報道された改ざんが疑われる「特例的な内容」「学園側の提案に応じて鑑定評価を行い」「価格提示を行う」との文言を示し、「消されたり、書き換えられたりしたのは、森友学園への便宜を示す文言だからではないか」と強調。改ざんは「(事前に)価格提示を行うことはない」と繰り返してきた国会答弁に合わせたものではないかと批判しました。国政調査権に基づき開示された文書の改ざんが事実なら重大問題で、「改ざん資料を国会に提出し、政府はそれをもとに答弁してきたということであれば、政策決定過程の検証は不可能となり、国会審議は成り立たなくなる」と述べました。

「適材適所」と政府答弁

 財務省の前理財局長として事前の価格提示を否定してきた佐川氏が、国税庁長官として適材適所なのか迫ったのに対し、麻生太郎財務大臣は「適材適所」と答え、安倍首相も「所管大臣が答弁した通り」と述べました。

 たつみ議員は、「これらの改ざんが仮に事実であれば、内閣総辞職に値する。事実であれば、しかるべき責任を取るということでよろしいですか」と迫りました。安倍総理は「仮定の質問には答えられない」としか述べませんでした。

新たな疑惑も浮上して

 質疑では、財務省が今年に入って国会開示した法律相談文書をめぐる新たな虚偽答弁の疑いも浮上しました。文書は国有地売却の交渉担当だった財務省近畿財務局が、同局法務担当者に法律相談した記録。この記録は当初、会計検査院の実地検査では提出されず、その理由について財務省は、法務部門に保存されていることに「気づかなかった」などと釈明していました。

 たつみ氏は、会計検査院による昨年4月と6月の実地検査に、文書を保管していた法務部門の職員が同席していたかどうかを質問。これに対し太田理財局長は「同席したことがある」と認めたものの、法律相談の文書が必要だと気付く状況は生じなかったなどと答弁しました。

 たつみ氏は、「全く苦しい答弁だ」と批判。たつみ氏は重要な内部文書の隠ぺいだとし財務省に検証を求めました。

安倍政権に怒り
参院選で頑張れ
市民からの反響

 5日の国会審議を聞いた人から、日本共産党大阪府委員会事務所に電話がありました。

 70代の男性は、「国会中継を見たが、のらりくらりとかわす政権に腹立たしさを感じている。こんなことを許しては駄目だ。もっと強力な方法で何とかしてほしい」と怒りの声を寄せました。

 翌6日、北河内に住む70代の女性は、「森友問題で、出せと言われても、ないと言ってきた文書が、いざ出されたら改ざんされていたなんて。野党が一丸となって追及しているのに、応じようとしない政府には本当に腹が立つ。来年は参議院選挙ですか。共産党に頑張ってほしい」と話していました。

(大阪民主新報、2018年3月11日号より)

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