「働き方改革」
「残業代ゼロ」制度やめよ
山下よしき参院議員が追及
日本共産党副委員長の山下よしき参院議員は、5日の参院予算委員会で、実態を示しながら「働き方改革」一括法案が長時間労働・過労死を促進するものであることを追及。安倍政権が新設を狙う「高度プロフェッショナル制度(残業代ゼロ制度)」を断念するよう求めました。
山下氏は、厚生労働局から特別指導を受けた野村不動産の問題を例に、すでに導入されている裁量労働制の下で、違法行為が横行していることを指摘しました。
山下氏は、野村不動産では、過労自殺した労働者の遺族の労災申請をきっかけに特別指導が入ったと報じられていることに触れ、裁量労働制は行政への届け出だけで済むことから、事前チェックは難しいと追及。「事前チェックが難しいことは、新たにつくろうとしている『残業代ゼロ制度』についても同じだ」と指摘しました。
安倍晋三首相は、「労働基準監督署が適切な指導を行っていくことが大切」などと答えるにとどまりました。
山下氏は、NHKの記者の過労死を例に挙げ、あらかじめ決めた時間しか労働時間とみなさない「事業場外みなし労働時間制」の実態を告発。この制度は、使用者が労働時間を把握しなくても罰則がなく、長時間労働にブレーキがかからないと指摘しました。
これに対し、安倍首相は「労使双方が話し合って労働時間を定めている」などと弁明しました。
山下氏は、労働者に業務量に関わる裁量はないこと、「みなし労働時間」と実労働時間のかい離が是正されにくい問題から、裁量制などの「みなし労働時間制」が長時間労働を招き、過労死を増大させる危険性があることを追及。裁量手当の月10時間分を超えないよう自主申告するよう労働者に求めていた大企業の実態を示し、「これだけ深刻な問題がある下で、裁量制の対象拡大は絶対にやってはならない。同じ懸念がある『残業代ゼロ制度』の高プロは、導入すべきではない」と述べました。
(大阪民主新報、2018年3月11日号より)