「基本議決」は多数意見を排除
大阪市議会財政総務委 共産・瀬戸氏が質問
12日の大阪市議会財政総務委員会で日本共産党の瀬戸一正市議団長が質問に立ち、大阪市を廃止して「特別区」を設置する「大阪都」構想の再度の住民投票をめぐり、吉村洋文市長が主張している「基本議決」の問題についてただしました。
「基本議決」は住民投票で「特別区」設置が否決されれば、大阪市は存続するが8区への合区を前提にした「総合区」制度に移行することを、住民投票の前に決めておくもの。吉村市長は昨年12月の「産経」インタビューで「市議会で基本議決を行います。その代わり、住民投票も実施させてくださいね」などと公言しています。
瀬戸氏は、市議会の多数が「特別区」設置に反対している中で、反対派の一部が「特別区設置協定書」に賛成しなければ住民投票は実施できず、8区の「総合区」案も市長が提案して議会の多数が賛成しなければならないと指摘。吉村発言は「『特別区』を実現したい市長とその会派(維新)、『特別区』には反対だが、8区の『総合区』案を実現したい皆さんとの間での取引を呼び掛けたものだ」と述べました。
大都市法が定める住民投票は、「特別区」の是非だけを問うもので、維新の会が「今度の住民投票は特別区を選ぶのか総合区を選ぶのかの投票」などと宣伝していることは、「市民に誤解と混乱をもたらすやり方だ」と批判。「基本議決」は、メディアの世論調査でも明らかな、「今(24区)のままでいい」という市民の多数意見を排除するものだと迫りました。
吉村市長は、「基本議決」について「何らかの合意形成を図るのは市長として当然」と答弁しました。さらに「市民の意見は大都市制度改革」と強弁し、「今のままで何もしなくていいという選択肢をつくることは考えていない」と強弁しました。
瀬戸氏は「まるで独裁者だ」と吉村市長の姿勢を厳しく批判しました。
(大阪民主新報、2018年3月18日号より)