森友文書改ざん
徹底して真相究明を
昭恵氏・政治家の関与部分削除 財務省認める
安倍内閣の責任重大
市民と野党 共同で連日宣伝・集会
財務省の「森友学園」への国有地売却をめぐる決裁文書が改ざんされていた問題が、政権を揺るがす大問題に発展しています。9日には、佐川宣寿国税庁長官(前財務省理財局長)が辞任。財務省は12日、計14の決裁文書に「書き換え」があったと発表し、首相夫妻や政治家の関与が書かれた部分などが削除されていたことなどが明らかになりました。大阪では、週末から週明けにかけて連日、安倍内閣とともに、学園が新たな小学校を建設できるように設置基準を緩和した維新政治の責任を問う行動が繰り広げられています。
政治史上最大の疑獄事件
共産党が天王寺で緊急街宣
日本共産党府委員会は10日、大阪市天王寺区内で緊急の国会報告街頭演説を行い、同党の山下よしき副委員長・参院議員、宮本岳志衆院議員、たつみコータロー参院議員が訴えました。
宮本氏は疑惑を一貫して追及してきた同党の論戦、市民と野党の共闘が安倍政権を追い詰めていると報告。佐川国税庁長官辞任で問題の幕引きを許さず、安倍政権の責任を徹底追及すると述べました。
たつみ氏は、国政調査権の発動を含めて、真相究明に全力を挙げる決意を表明。「政治史上最大の疑獄事件を明らかにする野党の共闘が広がっている。内閣総辞職に追い込もう」と語りました。
山下氏は裁量労働制が「働き方改革」一括法案から切り離されたことは、「野党の結束したたたかいや過労死家族の会の叫び、国民世論の大きな勝利」と強調しました。
山下氏は米朝首脳会談への動きを歓迎するとともに、日本政府は対話否定の立場を改めて、米朝対話を成功させる立場に立つべきと強調。この対話への動きは、「国と国とのもめごとは話し合いで平和的に解決すると決めた憲法9条が、現実の国際政治を動かす、生きた力を持つことを示している」と力説、憲法を守り生かす政治の実現へ奮闘すると語りました。
幕引きは許さない
重税反対統一行動
各地で13日、重税反対統一行動が取り組まれ、大阪市福島区では此花民商と福島民商が決起集会を開き、デモ行進後に大阪福島税務署で集団申告しました。
日本共産党の清水忠史府副委員長・前衆院議員があいさつ。森友学園をめぐる決裁文書改ざん問題を告発し、「公文書は民主主義の根幹。安倍政権と国政の信頼が失墜している。佐川国税庁長官の辞任で幕引きさせてはならない」と強調しました。消費税の負担と社会保障改悪が暮らしを圧迫しており、「消費税10%への大増税を許してはならない。安心して商売できる日本と大阪に」と呼び掛けました。
同党の山田みのり福島区生活相談所長は、森友問題の発端は、特例で小学校建設を「認可適当」とした松井維新府政にあると告発しました。
参加者はプラカードを掲げて区内をデモ行進し、「長官辞任で幕引き許さん」「安倍政権は今すぐ退陣」と訴えました。
福島区内で美容院を営む女性(50代)は、「集めた国民の税金が軍事費などに無駄遣いされるのは許せない。社会保障の充実や庶民の暮らしに回してほしい」と話していました。
京橋で市民が抗議
共産・立憲・社民の代表も
街頭宣伝で、たつみ議員の訴えを聞く人たち=10日、大阪市都島区内 市民有志の呼び掛けで10日、JR・京阪京橋駅前で行われた抗議宣伝では、「誰のための政治やねん」「安倍やめろ」などのプラカードを掲げた市民らが集結。約200人の人垣になりました。
大阪市立大学准教授の新ケ家章友さんは、「腐敗しきっている政治を変えることができるのは、私たち一人一人の声だ」と訴えました。
日本共産党のたつみコータロー参院議員、立憲民主党の尾辻かな子衆院議員、社民党府連幹事長の長崎由美子さんも参加。尾辻氏は、「国会だけでなく国民、市民をだました。こんな政権には退場してもらうしかない」と述べ、たつみ氏は「松井維新府政も、小学校設立の認可基準を緩和し、教育勅語を暗唱させる小学校を建てるために、安倍政権とともに汗をかいた。安倍政権打倒、維新退場へ力合わせて頑張ろう」と述べました。
大阪市旭区に住む50代女性は、「知り合いのツイッターを見て来た。国民のほうは向かず、うそばっかりつく政権が今のままだらだらと続くのは嫌です」と話していました。
松井知事も同罪 今すぐ辞めろ
府庁前 市民の呼び掛けで抗議
決裁文書改ざんを財務省が認めた12日夜、府庁前で市民有志が緊急抗議行動を行いました。学園側の要望を受け私立小学校の設置基準を緩和するなど「認可ありき」で突き進んだ責任が改めて問われる松井維新府政。参加者は「政治の私物化/忖度(そんたく)許すな」の抗議とともに、「松井(一郎知事)はやめろ」「逃げるな松井」「真相を語れ」とコールを繰り返しました=写真。
10日夕、JR・京阪京橋駅前での市民有志による抗議宣伝に参加した女性が、ツイッターで呼び掛けたもの。「松井知事も同罪」「森友は大阪の問題、松井さんちゃんと説明してや」などのプラカードを手にした人々が続々と到着し、約100人になりました。
「早く帰宅し、1歳の息子と風呂に入りたかったが、じっとしていられなかった」という会社員男性(42)=大阪市鶴見区在住=は、「文書改ざんは一党一派の問題ではなく、国の根本を壊すこと。国民や国会をだます権力を許すわけにはいかない」と話していました。
日本共産党の清水忠史前衆院議員、社民党府連の長崎由美子幹事長も駆け付け連帯あいさつしました。
(大阪民主新報、2018年3月18日号より)