おおさかナウ

2018年05月20日

町民の声を町政に生かす
小さい町の豊かな暮らし
――山田島本町政誕生から1年
日本共産党島本町会議員 河野恵子

 昨年4月の島本町長選で、新人の山田紘平氏が維新・自民・公明推薦候補を破り当選し、山田町政が誕生して1年。この1年の町政と3月議会などについて、日本共産党の河野恵子町議の寄稿を紹介します。

住民の声が上がる仕組み着実に広げ

河野恵子町議

河野恵子町議

 山田町長は着任直後、月曜日の住民面談「町長席」を、役場だけでなく町内の福祉施設、上下水部庁舎へ広げました。月1回各地域1カ所ずつ20人程度で行う「しまもトーク」を新たに設けるなど、住民に身近なところで意見を聴くとりくみを精力的に始めています。

 また切迫する幼稚園保育所耐震化問題では、教育長とともに出向き、保護者に説明、要望を聞くなど、住民自治や参加を広げる機会を着実に広げています。

 さらに、島本の行財政を左右する、JR島本駅西地区開発(土地区画整理・市街化区域編入)問題では、都市計画審議会委員の公募枠を増やし、町独自の都市計画説明会を開催しました。

 これらは長年住民の強い要望があり、審議会の付帯意見でも「住民への丁寧な説明と意見の反映を」と求められてきた手法で、誠実に町長が実行に移したものと言えます。「JR島本駅西地区まちづくり」の案には過去最高の144件の住民意見が寄せられ、後日開かれた審議会でも「付議(議案提案)する前に、住民や地権者の意見と調整して再度審議会に説明を」と町に求められました。

110億円の一般会計全会一致での成立

 3月27日、島本町議会で一般会計当初予算をはじめ、すべての議案が全会一致、賛成多数で可決しました。

 就学援助制度で中学校入学前のみなし支給(支度金)や、市街化農地を守る「生産緑地制度」導入調査費用など、日本共産党や住民が求めてきた取り組みが始まります。

 国・大阪府の悪政で、国保統一保険料や介護保険料値上げなど、困難な課題がありますが、町独自の努力で「介護保険料独自減免制度」が実現しました。

 一方で、公立幼稚園や青少年野外活動施設の廃止方針などは、具体的な代替策を引き続き関係者と十分に議論する必要性は残されています。

 私は一般質問などで「地下水守る安全な水道」「子ども医療費助成は高校卒業までに拡充を」「開発ラッシュでの交通安全対策」など切実な住民要求をもとに質問しました。

議会正常化へ住民市民派議員と共同

農地が広がるJR島本駅西地区で、開発計画が持ち上がっています。

農地が広がるJR島本駅西地区で、開発計画が持ち上がっています。

 今議会前半の本会議や委員会は混乱もなく審議はスムーズに進み、各委員会では全員が賛成し全議案が通過しました。

 ところが議会最終日、一般会計予算の討論・採決の直前に、自民5人(副議長含む)、公明1人(議会運営委員長)、維新2人の計8人が無言で議場を退席したため、定足数を満たさず休憩を余儀なくされました。この8人の議員は退席理由を明らかにせず2時間余り議長室にこもるという行動に出ました。

 不正常な議会の正常化に立ち上がったのも住民です。傍聴者・住民は、議長室前で「8人の議員は(密談をやめて)議長室を開けろ」と抗議。私は市民派町議とともに議長に「8町議は退席理由を説明せよ」と抗議し、本会議再開へ議会運営委員会開催を申入れました。5時間後にようやく議会が再開され、一般会計予算初め、すべての議案が全会一致で可決するに至っています。

 10日後には住民有志が不正常な議会運営を明らかにする「速報レポート」を発行、全戸に配布されました。

 これまでにも「議員同士の野次で質問妨害はやめ、品性ある議会を」「インターネット中継で議会を公開して」などの要望が急増しています。議会の暴言や人権に関わる言動には即日議会録音物の情報開示が請求される、議長や議員に質問状がくるなど議会に鋭い目が向けられています。

町政・町議会への関心と共同広がる

 2018年度は、役場耐震化建替え、認定子ども園整備など重要課題が山積みです。

 しかし、島本町は10年以上前から、超党派議員が連携し、「有事法制反対」「公立保育所民営化強行するな」「住民アンケート」「安保関連法制廃止を」など、市民共同の取り組みを進めてきた土壌があります。

 さらに町民の声を町政に生かす山田町長の姿勢を受けて、この1年間で、住民のまちづくり・都市計画・農業・保育問題など具体的なテーマでの学習会、共同の輪が広がっています。

 職員の平均年齢は30代、若手の山田町長と、まさに町議会は次世代と真剣に議論できる場であり、将来の発展へ期待を持たせるものです。

 今期、わが党は1議席のため、会派代表や議会運営委員の会議などは傍聴席で、発言できないなど困難な面がありますが、町政へ、初心に返り奮闘する決意です。(かわの・けいこ)


(大阪民主新報、2018年5月20日号より)

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