「大阪都」構想は断念を
明るい会・よくする会が府民のつどい
新たな大阪へ共同さらに
2015年5月17日の住民投票で、大阪市を廃止して「特別区」に再編する「大阪都」構想が否決されてから3年目の17日、明るい民主大阪府政をつくる会(明るい会)と大阪市をよくする会(よくする会)が大阪市中央区内で、「大阪市なくしたらアカン!府民のつどい」を開き、約650人が参加しました。大阪維新の会が固執する再度の住民投票実施を許さず、「大阪都」構想を断念に追い込んで、維新政治に代わる新たな大阪をつくる共同を広げようと、決意を固め合いました。
今秋の住民投票実施を先送りに
開会あいさつで明るい会の荒田功事務局長は、16日に松井一郎知事(大阪維新の会代表)が今秋の住民投票実施を先送りすることを事実上認めたことに言及。その背景にはNHKの世論調査(4月)で大阪市存続を求める声が多数を占めていることや、「大阪都」構想のずさんな設計図への批判があると同時に、大阪市つぶしを許さない粘り強い共同の運動がつくり出した変化があると強調しました。
さらに維新を後押ししてきた安倍政権に対して、9条改憲や「森友・加計」疑惑などで国民の批判が高まっている側面もあると指摘しました。
それでも維新が住民投票を諦めないのは、維新にとって「大阪都」構想が存在意義を懸けた政治目標だからだと荒田氏。「住民投票阻止とともに、『大阪都』構想そのものを断念させるため、『オール大阪』の共同を強く、大きく広げよう。来年春の統一地方選、秋のダブル選に向けて、住民のための大阪を実現しよう」と呼び掛けました。
ダブル選展望し取り組み強化を
よくする会の福井朗事務局長は、明るい会・よくする会が呼び掛けている毎月1回の統一宣伝の成功はじめ地域での宣伝・対話、学習を強めるとともに、来年秋のダブル選を展望して、3年前の住民投票を上回る共同を広げることを提起。「地方自治と民主主義が花開き、地域経済がにぎわい、雇用が安定している大阪、本当に子どもの笑顔がはじける大阪へ頑張ろう」と訴えました。
今の「都」構想はカジノと一体だ
集会では奈良女子大学の中山徹教授が、「『大阪都』構想・カジノを越えて新たな大阪を展望しよう」と題して記念講演。3年前の住民投票の結果を覆す維新の「『都』構想再挑戦」は、民主主義のルールを逸脱するものだとし、「2回目の住民投票を許さない取り組みを強めなければならない」と話しました。
中山氏は、現在の「大阪都」構想は、大阪市を廃止してその財源・権限を府に集中させてカジノを誘致することと一体だと指摘。維新は住民投票の実施を諦めず、今後は万博・カジノ・「大阪都」構想の“3点セット”で、住民投票や選挙戦に臨むだろうと述べました。
これに対し大阪で発展してきた反維新の共同を力に、▽カジノではなく大阪の企業に依拠した経済対策▽福祉や教育の充実で安定した雇用の創出・確保など、「維新後」の新たな大阪について夢を語ることが必要だと力説しました。
堺市の中條良一副市長(竹山修身市長の代理)、平松邦夫元大阪市長、大阪を知り・考える市民の会の中野雅司代表、民意の会の浅野秀弥共同代表、あかんカジノ!女性アピール呼び掛け人の中野冬美さんがあいさつ。社民党府連代表の服部良一元衆院議員が連帯メッセージを寄せました。
3つの分野の代表が維新政治の実態を告発。日本共産党のたつみコ―タロー参院議員が国会報告しました。(詳しくはこちらのページへ)
(大阪民主新報、2018年5月27日号より)