2018年06月03日
山下よしきの徒然エッセイ
これでは命も健康も守れない
国民が求める「働き方改革」とはなにか。繰り返される「過労死」をなくし、増え続ける「非正規雇用」を規制し、だれもが「8時間働けば普通に暮らせる社会」をつくることではないでしょうか。
政府法案の、「残業時間の上限」月100時間は、過労死水準を超える「過労死合法化」です。「高度プロフェッショナル制度」はその上限さえかかりません。年104日さえ休めば、24時間労働を48日間連続させても違法にならない「過労死促進法」です。
政府は、企業に「健康管理時間」を把握させ、一定時間を超えれば医師に面談させて健康を守ると説明します。
そこで、わが党の高橋議員が「健康管理時間の把握をさせても、上限時間の義務付けがないから長時間労働を是正できない」と追及。加藤厚労相は「(残業相当分が)100時間を超えれば医師が面談する」というだけで、長時間労働に歯止めがないことを否定できませんでした。
さらに、加藤厚労相は、国民民主党の山井議員の質問に、医師の面談後も残業を続けさせ月200時間にのぼっても、「違法性は問えない」と認めました。これでは健康を守ることはできません。
高プロを法案から削除する。残業の上限は月45時間・年360時間という大臣告示を法制化し、例外なく守らせる。連続11時間の休息時間を確保する――これが過労死の遺族が求めていることです。この声にどうすれば応えられるか、真剣に議論することこそ国会の使命です。(やました・よしき 日本共産党参院議員 毎月第1週に掲載)
(大阪民主新報、2018年6月3日号より)