憲法生かして未来を開こう
大阪若者憲法集会開く
平和のために立ち上がろう!憲法を生かして未来をひらこう! 2018大阪若者憲法集会(同実行委員会主催)が5月27日、大阪市内で開かれ、約80人が参加。メイン集会や分科会で日本国憲法の役割を学び合い、憲法が保障する自由と権利を行使しようと呼び掛け、サウンドカーを先頭に御堂筋をデモしました。
メイン集会であいさつした民青同盟大阪府委員会の酒巻眞世委員長は、森友疑惑をめぐる公文書改ざんなど安倍内閣の政権運営を批判。審議中の働き方改悪法案など命と生活を脅かす政治を許すことはできないと語り、「憲法を盾に声を上げ平和を守るために立ち上がろう。それは自由と権利を守るため憲法12条が求める『不断の努力』です。政治を変えて憲法を生かす政治を実現しよう」と呼び掛けました。
平和だからこそ自由に
リレートークで平和委員会青年学生部の代表は、憲法記念日に実施したアンケート結果について、回答者の多くが憲法9条を守るべきと述べたと報告。7月15日に青年のうたごえ祭典を開く実行委員会メンバーたちは「平和だからこそ私たちは自由に歌うことができる。自由を奪い戦争賛美の歌を押し付ける時代に戻してはいけない」と呼び掛けました。
教育無償化口実の改憲には道理なし
学生サークルRTS(ライト・トゥ・スタディ 「学ぶ権利」の意味)のメンバーは、高等教育無償化やブラックバイト根絶へ行政機関に働き掛けてきたと発言。「現行憲法下で高等教育無償化は実現できる。無償化を口実にした改憲は道理がない。憲法が示す教育の権利を守っていこう」と語りました
音楽グループ「MIC SUN LIFE」のSUN―DYUさんは冤罪で302日間拘留された経験を話し、「檻の中で自殺も考えたが生きるという選択をして良かった。えん罪撲滅の輪を広げ憲法9条変えるなと訴えていく。その声が未来につながる」と語りました。
メイン集会に先立ち午前中は分科会が行われ、「多様性と個人の尊厳 LGBT(性的少数者)について考える」「健康で文化的な最低限度の生活って?」、「働くこと、生きること、抵抗すること」、「大阪市内の戦跡をめぐり憲法9条の意義を学ぶフィールドツアー」が取り組まれました。
命を危険にさらす政権
アフガニスタンやシリア、南スーダンなど世界中の紛争地を取材するフリージャーナリストの西谷文和さんは、「戦争のリアルと安倍政権のうそ」と題して講演しました。
自衛隊活動地域はまさに戦場だった
国連平和維持活動(PKO)で陸上自衛隊部隊が派遣された南スーダンの最新情勢を報告した西谷さんは、2016年7月に南スーダン政府軍と反政府勢力の大規模戦闘が起きた首都ジュバの自衛隊宿営地付近の映像を紹介。「平和貢献だと派遣された自衛隊が活動した地域は、まさに戦場だった」と告発しました。
帰国後に隊員2人が自殺し、1人が傷病死した現実に触れながら、「戦闘はなかった」「永田町よりは危険でしょ」などと人ごとのように答弁した安倍首相を厳しく批判し、「人命を危険にさらす安倍政権に、日本の未来を託すことはできない」と語りました。
西谷さんは、「食事は1日1回だけ。私も子どもも空腹です」と語る避難民キャンプで暮らす市民の映像を紹介するとともに、国内唯一の子ども病院(200床)は医師が1人で診療に当たり、多くの子どもが診察の順番を待っていると発言。「紛争と貧困、感染症の流行など、5歳未満の子どもが、年間3万8千人亡くなっているが、必要な支援が届いていない」と訴えました。
戦争はうそから始まる
「戦争が起きるのはなぜか」と問い掛けた西谷氏は、宗教や領土などは後付けの理由に過ぎず、武器を売ってもうける人間が、政治とメディアを利用し、戦争状態を作り出す構図を告発。1991年の湾岸戦争を例に挙げ、クウェートを侵攻したイラク・フセイン政権の蛮行を全米に伝えた少女は、クウェートに住んだことさえない在米大使館関係者で、演説台本は大手広告代理店が書いたものだったと指摘しました。
西谷さんは、ナチスドイツや日本軍国主義による侵略戦争の教訓にも触れ、「戦争はうそから始まる。私たち自身が真実を学び判断して、戦争をしない国のリーダーを選ばなければならない」と強調しました。
軍備の縮小が福祉や教育の充実にも
講演の最後に、「憲法9条を守ることは戦争しない日本を守るだけでなく、無駄な軍備を縮小することで、福祉や教育の充実につながる。平和と国民の生活を守り良くしていくために、自信を持って憲法を守ろうと声を広げてほしい」と呼び掛けました。
(大阪民主新報、2018年6月3日号より)