おおさかナウ

2018年06月03日

共産党府委がネット・SNS学習交流会
共闘広がる新たな時代
比例の躍進へ活用を

 来年の参院選での野党共闘の勝利と日本共産党の躍進を目指して、インターネットやSNS(ソーシャルネットワークサービス)を選挙活動の太い柱に位置付けた活動を抜本的に強化しようと、同党府委員会が5月19日、地方議員・同候補や地区委員会の役員などを対象に大阪市中央区内で「ネット・SNS学習交流会」を開きました。

田村一志・党宣伝局長が講演

SNSの普及と新たな市民運動

日本共産党府委員会が開いた「ネット・SNS学習交流会」=5月19日、大阪市中央区内

日本共産党府委員会が開いた「ネット・SNS学習交流会」=5月19日、大阪市中央区内

 党中央委員会の田村一志宣伝局長が講演。まず、「市民と野党の共闘が広がる新しい時代の党活動では、SNSの活用で挑戦が求められている」とし、インターネットの発展・普及と新たな市民運動との関係について明らかにしました。

 インターネットは本来、テレビや新聞などの一方通行のメディアと異なり、利用者が互いにつながり合う双方向性があります。2010年代に入って「ツイッター」や「フェイスブック」が普及したことで、その機能が本格的に発揮されるようになったのと歩調を合わせて、SNSを使って新しい市民運動が広がってきました。

 2011年の東日本大震災・福島原発事故を受けた反原発のデモや集会はSNSを通じて開催。ブログに書き込まれた「保育園落ちた」の言葉がSNSで拡散し、国会でも取り上げられるなど、政治と社会を動かすようになりました。

 2015年の安保法制のたたかいでは、市民一人一人が自分で考えて情報を探し、国会前の抗議行動に駆け付け、何万人という規模に発展。田村氏は「新しい市民運動はSNSと一体不可分のもの」と述べました。

選挙運動でも大きな役割果たす

 さらに2016年の参院選、17年の衆院選で市民と野党の共闘が組まれた中で、新たな市民運動は要求や抗議のための活動にとどまらず、選挙の運動にも広がるように。一人一人の有権者が考え、自分ができることで政党や候補者を応援する活動が全国に広がり、そこでもSNSが大きな役割を果たしてきました。

 田村氏は17年衆院選で、有名無名を問わず、「比例は共産党」とツイッターで発信する大きな動きが広がったことを紹介。「日本の選挙史上、これほどの人々が、不特定多数の見ている前で『共産党に入れた』『比例は共産党』と公言したことはかつてなかった」と述べました。

 また立憲民主党の結党と躍進にも、新たな市民運動とSNSの役割があったと指摘。「日本の政治情勢が激動的に動いている一歩一歩は、国民が政治の主人公として目覚め、政治を動かす力は自分たちにあるという自信をつけていく過程。そこにSNSが結び付いている。野党連合政権はSNSで組織されるわけではないが、SNSなしにもできない」と力説しました。

比例得票実現へどう活用するか

 田村氏はSNSの活用で各党がしのぎを削っている中で、日本共産党が比例代表得票の全国850万票、大阪80万票を実現するために、「党機関も議員も支部も、条件のある人は活用に乗り出してほしい」として、次の3つの点を挙げました。

 ①日本共産党ほどSNSに取り組む資格・能力・条件がある政党は他にないこと。訴えるべき政策・主張は豊富で、実際に草の根で市民と結び付いて活動し、野党共闘と自らの躍進という両方の方針を掲げている。

 ②比例代表得票を実現するには、全有権者規模での大量政治宣伝が不可欠。日本共産党について知ってもらい、丸ごと応援する支持者を増やすためには、ポスターの張り出しやビラ配布、ハンドマイク宣伝とともに、SNSの活用は避けて通れない。

 ③比例代表選挙はSNSに一番マッチしている。全国どこでも日本共産党への1票が議席に結び付くのが比例代表。拡散力の高いツイッターの活用を。

互いに知恵と力出し合い活用を

 具体的な取り組みとして田村氏は、▽まずSNSに参加して使ってみる。最初は発信しなくても、志位和夫委員長や小池晃書記局長、たつみコータロー参院議員はじめ国会議員の発信を見るだけでもよい▽頑張ってSNSで発信している党員や市民などの経験をよく聞いて、励まし、会議などで紹介を▽新たに始めた「JCPサポーター」を若い世代、子育て世代に紹介を――などを提案しました。

 またSNSは誰もが見ることができるものだけに、発信する内容は公の場所で聞かれても困らないものとし、汚い言葉でののしったり、相手をおとしめるようなことはしないことが大切だと指摘。どんなに便利でも、党活動の連絡には絶対使わないことが大切だとしました。

 最期に田村氏は、「市民と野党の共闘の時代、野党連合政権に手が届く時代に入り、SNSは有力なたたかいの手段になっている。同時にまだ新しいメディアであり、開拓途上。お互いに知恵と力を合わせて改革し、全有権者規模の大量政治宣伝に結び付けて活用しよう」と呼び掛けました。

(大阪民主新報、2018年6月3日号より)

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