おおさかナウ

2018年06月10日

私学審会長らの招致を
府議会教育常任委 石川府議が要求

 日本共産党の石川たえ府議は、5月30日の府議会教育常任委員会で行われた森友問題集中審議で、府の隠蔽体質を批判するとともに、府私学課が学園の小学校認可に協力していたことを関係資料から示し、梶田叡一私学審会長はじめ関係者の招致や100条委員会の設置を求めました。

際立つ府の隠蔽体質

 石川府議は、学園が実体のない寄付金を府に報告し、府もそれをうのみにしていたことを指摘しました。

寄付金の入金を確かめずに報告

石川多枝府議

石川多枝府議

 大口の寄付により学園の負債比率は、2014年度当初の44・4%から同年度末には26・8%まで下がると予測され、府に報告していました。

 しかし昨年の石川議員の質問で、寄付の一部が虚偽だった可能性が高まっています。この日の質問では、府が寄付金の入金を個別に確かめていなかったにもかかわらず、あたかも個別に入金を確認したかのように私学審に報告していたことが分かりました。

 寄付金がなければ、学園の負債比率は下がらず、府の小学校認可基準を満たしていなかったことになります。

 小学校の校舎建設費は、学園側は当初10億円程度かかると予測していましたが、認可申請時点では4億円の見積もりを府に提出しています。この見積もりが示された私学審では、「妥当性はあると思われたのか」などと疑問視されています。

 校舎建設費について、財務省が開示した文書では学園が14・4億円や18億円、20億円の見積もりを取っていたことが分かります。しかし建設費が高くなると、10年後に国有地を購入できる見通しがなくなり、借入をすれば府の認可基準を満たさなくなる、板挟み状態だったことがうかがえます。

 これらの不自然な点があることから、私学審では委員からの数々の疑問の声が出されながら、私学課と梶田会長は認可適当の答申を出し、学園は国有地取得へさらに近づくことになりました。

 府の昨年の検証報告では、府と近畿財務局とは面談が6回、電話が6~7回あったとされています。しかし、財務省開示文書では、それ以外にも面談や十数回の電話があったことが明るみになりました。

再度の検証を求めても府が拒否

 中には小学校の名称を安倍晋三記念小学校とする記述もありました。教育常任委員会で自民党の委員がこの件を質したところ、府は14年1月に学園から小学校の名称について「相談」があった際、「教育基本法の特定の政党への支持を禁じる規定に抵触する疑念がある」として、学園側に説明を求めたといいます。

 石川府議は検証報告と財務省文書との違いを挙げ、再度の検証を求めましたが、府は「必要ない」との姿勢を崩しませんでした。

(大阪民主新報、2018年6月10日号より)

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