おおさかナウ

2018年06月24日

府立支援学校
教室不足で玄関・廊下を転用
保護者ら〝新校整備を〟

 府立支援学校の教室不足で、学校の廊下や玄関を間仕切りするなどして教室に転用している問題で、保護者らが15日に会見を行い、「児童・生徒の増加に見合った新校整備を」と求めました。

〝整備不要〟と国に報告 維新府政

 会見したのは大阪障害児教育運動連絡会です。同日に緊急アピールを発表し、教育条件整備を求めました。

 府は、支援学校で転用している172教室を、「今後現状のまま使用する」として、整備する必要がある教室数を0と文部科学省に報告しています。府下で「新たに整備を希望する普通教室」を報告しているのは、堺市立の8室だけです。

適正規模超え

会見する保護者ら=15日、大阪市中央区内

会見する保護者ら=15日、大阪市中央区内

 府立支援学校の知的障害児童・生徒数は、2016年までの10年間で約1400人増えると府は推計し、「300校規模の支援学校を5校整備する必要がある」としています。しかし「多大な整備費や時間を要する」ことなどから、「新校整備は最小限にとどめる」「できるだけ既存の支援学校の施設を活用する」などとしています。

 支援学校の適正規模は150~200人と府学校教育審議会は答申しています。しかし在籍児童・生徒数が300人を超える知的支援学校は、府内に11校あります。開校当時に想定していた規模を大きく上回っているため、運動場が狭いなどの問題も出てきています。

長時間の通学

 既存施設の活用を進めてきたことから通学区域がいびつになり、長時間の通学を強いられる子どもが増えています。吹田市では小学4年で市内の支援学校から他市へ転校を強いられたケースがあります。通学に1時間以上かかることと合わせ、急に環境が変わったことなどから、この日会見した母親は、「学校が大好きだった子が泣いて帰ってきたことが忘れられない」と語りました。

 学校に必要な施設などの設置基準が幼稚園や小中学校、高校、大学、専門学校に定められていますが、支援学校にはありません。

府議会へ署名

 連絡会は来年2月の府議会に向けて請願署名に取り組みます。

(大阪民主新報、2018年6月24日号より)

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