2018年08月26日
宮本岳志の国会レポート
ダムに頼る治水対策の見直しを
7月豪雨では甚大な被害が出ました。被災された皆様に、心からのお見舞いを申し上げます。私は国会議員団の国土交通部会長として、山添拓・仁比聡平両参議院議員とともに、8月8日、愛媛県の鹿野川ダム、野村ダムの調査に入りました。
「異常洪水時防災操作」と呼ばれるこの二つのダムの大量放流によって、愛媛県大洲市や西予市野村町では9名の尊い命が奪われ、5千世帯を超える甚大な浸水被害が引き起こされました。野村地区での浸水は3・77メートルにも達しました。これだけの被害を出しておきながら、国土交通省は当初「規則に基づくもので適切だった」と説明。命や家を失った住民にとって到底納得できるものではありません。
私が「ならば国土交通省のダムというものは、適切に操作したら人命や家が失われるようなものなのか」と問うと、ダム管理者は答えに窮する始末。まず管理者である国交省が、ダム放流が被害を拡大したことを認め、被災者に謝罪するのは当然のことです。
そもそもダムの洪水調整機能に依存した治水対策は、今日のような異常気象による記録的大雨が繰り返される状況の下では限界にきています。それどころか地元市長が「私も含め多くの人が、ダムが守ってくれるという安心感を持っていた」と語ったように、逆に「安全神話」が被害の拡大を招く結果となっています。
ダムに頼った治水対策を見直し、河川堤防の整備、河道の掘削など、河川改修に力を注ぐことこそ急務です。(みやもと・たけし 日本共産党衆院議員 毎月第4週に掲載)
(大阪民主新報、2018年8月26日号より)