沖縄の不屈のたたかいに連帯
政府は基地建設中止を
堺 意見書可決へ署名開始
「辺野古の海は壊させない!」と、辺野古新基地建設の強行を中止するよう政府に求める意見書を、堺市議会が可決することを求める請願署名のスタート集会が18日、堺市堺区内で開かれました。堺市民でつくる請願署名実行委員会が主催したもの。会場に入りきれない人も出る中、約500人が参加し、沖縄から駆け付けた稲嶺進前名護市長が講演。基地建設を強行する安倍政権への怒りと、署名成功、沖縄県知事選勝利への願いにあふれました。
稲嶺前名護市長が講演
堺市では、2016年から昨年12月にかけて6回にわたり、基地問題に関わる意見書を可決することを求めて議会陳情が行われてきました。いずれも、意見書提案の日本共産党、無所属、一部議員を除くソレイユが賛成、維新、公明、自民などが反対し、否決されてきました。こうした中で、辺野古新基地建設阻止に向け、堺から声を上げようと請願署名が取り組まれることになりました。
集会は、沖縄全戦没者追悼式で、地元中学生の相良倫子さんが自作詩「生きる」を朗読した映像で開会。8日、死去した翁長雄志知事への黙祷が捧げられました。
実行委員会を代表して、2年近く名護市に住み、辺野古、高江でのたたかいなどに関わった福山功勝さんがあいさつ。実行委員会の取り組みを報告し、「勝つことはあきらめないことだと、今日も非暴力の戦いを不屈に続けている現地の人々に連帯したい」と語りました。
稲嶺氏は、沖縄の近現代史に触れ、明治政府による琉球処分、太平洋戦争時の捨て石作戦、戦後の米軍占領、米軍基地の集中など、権力、武力による構造的差別がつくられてきたと述べ、「新しい憲法ができても適用外で、自治も人権もゼロに等しく、復帰47年たっても何も変わっていない。むしろひどくなっている」と強調しました。
今も、米軍機オスプレイが学校の上を飛ばないという規則が守られていないことなどを挙げ、「子どもたちの命を守ることさえできない国が独立国家といえるのか」と厳しく指摘。自らたたかった2月の名護市長選で、国家権力総動員と権力・金力による業界締め付け、徹底した争点隠しなどが行われたことを報告し、「地方政治も民主主義もない」と批判しました。
その上で、「私たちは子や孫たちに、平和で安心安全、言いたいことを言える世の中を残さなければならない。それができるのは今生きている私たち一人一人だ」と語りました。
請願署名は11月堺市議会に向け、5千筆以上を目標に取り組まれます。
(大阪民主新報、2018年8月26日号より)