カジノは許さない
枚方でシンポ開く
ギャンブル依存症や地域経済への深刻な影響などカジノ誘致をめぐる問題点を考えようと、日本共産党枚方・交野地区委員会は18日、枚方市内でカジノシンポジウムを開きました。大谷大学の滝口直子教授、同党の清水忠史前衆院議員がパネリストとして報告。党府政対策委員長のみわ智之氏がコーディネータ役を務めました。立ち見も出るほど会場いっぱいの参加者から、活発に質問や意見が出されました。
刑法が禁じてきた民間賭博の解禁を目指す安倍政権は、「統合型リゾート(IR)整備法」強行(16年)に続き、今通常国会ではカジノ実施法を強行可決。これら法整備と一体に、維新の府政・大阪市政は、大阪湾の人口島・夢洲でのカジノを中核とした統合型リゾート(IR)の開業と、万博誘致に向けた動きを加速させています。
主催者あいさつでみわ氏は、多くの府民が反対するカジノ誘致に熱を上げる維新政治を批判、多面的にカジノがもたらす問題点を学び合いたいと述べました。
滝口教授は、グローバル情報産業として巨大に発展したカジノについて、「入場者の個人情報は丸裸にされる」とし、顔認証システムやビッグデータ活用など、顧客をリアルタイムで情報分析し、AI(人工知能)が好みのゲームや行動パターンまで予測すると指摘。自然光の入らない密室構造や、24時間営業、ATMでの借金など、客を依存症に陥らせ、巨額投資を回収する実態を告発しました。スロットマシーンはICチップで制御され、電子化されたカードゲームはモニター監視されるとし、「自然発生の何倍ものニアミスや、勝ちと錯覚する負けがチップに組み込まれている」「米国ではイカサマだと訴訟が起きている」と告発しました。
清水氏は、米国のカジノ業界関係者が自民や維新の国会議員に脱法献金していた問題や、米国のカジノ業者5社が大阪万博誘致運動を支援するなど癒着の構図を指摘。カジノ実施法が強行された背景に、▽憲法改正に向けた維新との取引▽公明党の選挙対策▽カジノ業界と親密なトランプ氏と米国の圧力――などがあると告発しました。
清水氏は、依存症患者の問題や、地下鉄延伸はじめ巨額のインフラ整備に税金が投入されかねない懸念を指摘し、「賭博目当ての訪日外国人は皆無。万博を隠れみのにカジノに税金投入することは許されない。防災対策や暮らし応援にこそ税金を使うべきだ」と強調しました。
(大阪民主新報、2018年8月26日号より)