増える子ども・教室不足・過密化…
障害児に豊かな教育を
共産党が府立支援学校を視察
日本共産党の山下よしき副委員長・参院議員、たつみコータロー参院議員、前衆院議員の清水忠史党府副委員長、石川たえ府議は18日、大阪市東淀川区の府立東淀川支援学校を視察し学校関係者と懇談しました。同校児童や生徒の保護者とも面談し支援教育に関する要望などを聞きました。
府〝新校整備抑え転用や知肢併置で〟
大阪府は2017年、今後10年間で支援学校(知的)の児童生徒数が1400人増えるとの将来推計を示し、「府立支援学校における知的障がい児童生徒の教育環境の充実に向けた基本方針」(18年)を発表しています。
中学校転用した東淀川支援学校
既存施設を最大限利用する方針の下、新校整備は必要最小限とされ、「特別教室の転用」「通学区域割の変更」、さらに知的障害児と肢体不自由児の併置校の拡大などが盛り込まれ、今後、教室不足や過密化の深刻化が懸念されています。
同校は、閉校した元大阪市立中学校を改修し、市立特別支援学校として2015年に開校し、翌16年に大阪府へ移管されました。
同校に在籍する児童生徒数は現在240人。開校時の200人から毎年1割ほど入学者が増えているといいます。
鈴木克彦校長によると、淀川・西淀川・東淀川の3区を通学区域とし、開校以前に通学していた学校と比べ、子どもたちの通学時間は短縮されたということでした。
一行は、校内を一巡して授業内容を見学したり、図書室や音楽室、陶芸教室、体育館やプールなど学校施設を視察しました。
保護者が安全面での課題を指摘
同校に子どもを通わせる母親との懇談では、「支援学校での教育を通じて『生きる力』を育てていただいた」「家庭生活でも成長を感じることが多い」などの感想が紹介されました。
その一方、支援学校として建設設計されていないため、廊下の幅が狭い問題や教室の広さ、段差が多く残されていることなど、安全面やバリアフリーなどの課題が指摘されました。
母親たちは支援教育の充実に向け、設置基準の制定による教育条件や教員配置の充実などが必要だと訴えました。
政治の責任が果たされるように
山下議員は、「支援学校が子どもたちの発達にとってかけがえのない役割を発揮していると感じました。豊かで伸びやかな教育の場であるべき支援学校と支援教育がより充実するよう、政治の責任が果たされるよう奮闘したい」と語りました。
懇談には、寺戸月美大阪市議も参加しました。
(大阪民主新報、2018年10月28日号より)