おおさかナウ

2018年11月18日

政策の中身こそ問題
都構想は最悪の制度
第16回法定協 山中智子大阪市議が主張

山中智子市議

山中智子市議

 大阪市を廃止して「特別区」に再編する、いわゆる「大阪都」構想の制度設計を議論する大都市制度(特別区設置)協議会(法定協)の第16回目の会合が12日、府庁内で開かれました。日本共産党の山中智子大阪市議は、これまでの議論で「都」構想の破綻は明らかだと指摘。防災対策などに全力で取り組むためにも、議論にきっぱりと終止符を打ち、府と大阪市が、それぞれの役割にふさわしい仕事をしっかり行うべきと主張しました。

 山中氏は、大阪市を廃止して広域行政の「司令塔機能」を府に一本化したからといって、大阪港の取り扱い貨物や来阪外国人観光客が増えるわけではないと指摘。消防や水道など現在の大阪市の業務を含む428事業を単に府に移管するだけで、個々の事業の予算は増えず、逆に移管先の府の職員は「効率化」の名で120人減らされるとし、「弱体化こそすれ、強力な体制などにならない」と批判しました。

 さらに内閣府が発表した県民一人当たりの所得は、大阪は2014年の全国7位から15年は9位に低下し、対前年伸び率は全国平均(3・3%)より低い2・2%。総務省の勤労者世帯の家計調査(16年)では、大阪市は全国平均から16年の月額実収入で4万6千円、消費支出で4万2千円低いなど、悪化する市民生活の一端を示しました。

 山中氏は、「府と市が同じ方向を向いているからとか、そのための制度的な保証が必要といったレベルの問題ではなく、国・地方を通じての政策の問題だ」と強調。「特別区」素案の財政試算でさえ膨大な設置コストがかかり、中核市並みの「特別区」にすればさらにコストが膨らみ、住民サービスをカットせざるを得ないとし、「都構想は百害あって一利なし。最悪の制度だ」と断じました。

(大阪民主新報、2018年11月18日号より)

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