2018年12月02日
山下よしきの徒然エッセイ
法治主義を破壊する安倍政権
沖縄県知事選挙で、総がかりで支援した候補が、辺野古新基地反対の玉城デニー候補に大差で敗れた安倍政権。普通なら〝参りました。辺野古はあきらめます〟となるのが当たり前ではないでしょうか。
ところが安倍政権は、行政不服審査制度を悪用して、沖縄県の埋め立て承認撤回の執行停止を決定しました。言語道断です。
この制度は、行政機関によって国民の権利が侵害されたときに、その救済をはかるためにある制度です。国の機関が用いてはならないと法律に明記されています。
赤嶺議員にその点を追及されると、不当な決定をした石井国土交通大臣は、「防衛省沖縄防衛局は一般私人として不服審査を申し立てた」と答弁(2日)。開いた口が塞がりません。「一般私人」が米軍基地をつくるなどあるはずないではありませんか。
そこで私は、『逐条解説 行政不服審査法』の基準を示し、「米軍提供水域」に米軍基地をつくることを目的として公有水面を埋め立てる事業が、同法の「適用除外」となる「固有の資格」=「一般私人が立ちえないような立場にある状態」には当たらないと判断した理由は何かと質問しましたが、国交副大臣も担当官僚も答弁不能に(22日)。
法律に則って執行停止を決定したと言いながら、法律の運用基準をまったく無視していたことが明らかとなりました。
民主主義も、地方自治も、法治主義も破壊する安倍政権には、やはり一日も早く辞めてもらうしかありません。(やました・よしき 日本共産党参院議員 毎月第1週に掲載)
(大阪民主新報、2018年12月2日号より)