声を届けて
たつみコータロー参院議員の国会論戦
リニアに大義なし 需要予測、巨額工事、環境破壊の実態追及
「ずさんな需要予測で採算が取れないことが想定される。JR東海が独自でやるんだと言いますが、これだけ大きな事業を一企業に任せるような危ういことを推進してはいけない。見直すべきだ」
日本共産党のたつみコータロー参院議員は2014年3月13日の参院国土交通委員会で、JR東海が進めるリニア新幹線建設について、人口減少時代にリニア新幹線は採算が取れるのかと政府をただしました。
ずさんな需要予測
リニア中央新幹線計画の収支予測について、JR東海が2027年予定の品川―名古屋開業時に10%、大阪開業時で15%の収入増を見込んでいる問題で、たつみ議員は、国立社会保障・人口問題研究所の将来人口推計を基に、大阪まで開通する2045年に現役世代の人口が2400万人減少する事実を示し、「JR東海の収支試算は、人口構成を加味した試算なのか」と質問。これに対して鉄道局長は、「生産年齢人口の変化に特価した分析は行っていない」と答弁し、需要予測のずさんさがあらためて浮き彫りになる一方、需要予測は慎重な手堅い見方をしていると強弁しました。
「リニアに関しては環境に与える影響も重大だ」
環境破壊の影響大
たつみ議員は、JR東海の環境アセスメント手続きを取り上げ、周辺自治体や住民から生活や環境への影響に対する不安が広がっている問題を質問しました。
山梨県のリニア実験線建設に伴い、年間660万㌔㍑もの大量の湧水が起きていると指摘。全国1位の山梨県のミネラルウオーター生産量が年間93万㌔㍑だとし、自然環境や下流域の生活、経済活動をはじめさまざまな影響が懸念されると指摘しました。
また、たつみ議員は、静岡県の大井川で毎秒2㌧もの水量減少が予測され、静岡市が影響を懸念する意見書を出している問題や、総延長438㌔のリニア工事で、トンネル建設に伴って発生する東京ドーム51個分もの残土のうち、置き場が決まっているのが6%に過ぎない問題点を取り上げ、「残土処理の問題が解決しないと建設できない」「リニア計画は見直すべきだ」と追及しました。
建設の大義を問う
「経済成長偏重の政策を見直し、そして何よりも大自然に対して謙虚になることが重要だ」
たつみ議員は、質問の最後にそう述べ、総工費9兆円の建設工事や東海道新幹線の3倍の電力消費を伴うリニア建設の問題点を列挙。人の流れや働き方、航空行政やライフスタイル、都市機能のあり方など国民生活に影響を与える国土政策へのビジョンが欠落しているとし、「リニア建設そのものの大義、収益性、環境問題、中間駅の乱開発計画など問題が多すぎる。夢の超特急だとあおることは、政治の責任でも仕事でもない。国会として審議し調査をし直すことが必要だ」と求めました。
(大阪民主新報、2018年12月9日号より)