数の力で議論封じ強行採決連発
暴走・安倍政治許さない
臨時国会閉会 市民と野党が共同街宣
安倍自公政権が「数の力」で採決強行を連発し、与野党が激しく対立した第197回臨時国会が10日に会期末を迎え閉会しました。批判が噴出した外国人労働者の受け入れを拡大する改定出入国管理法などの悪法が7日午前から8日未明にかけて、断続的に開かれた参院本会議で強行成立しました。日本共産党、立憲民主党、国民民主党、希望の会(自由・社民)、沖縄の風の5野党・会派は、安倍政権の暴走に対し首相問責決議案などを共同提出して正面から対決しました。
議会制民主主義を破壊する暴挙
「逃げることも声を上げることもできずに耐えしのんでいる実習生が、まだたくさんいる。調査を速やかに行い事態を改善させるのが最優先。強行的に押し通すやり方は、絶対に認められない」
7日午後8時25分、日本共産党のたつみコータロー参院議員は参院本会議に登壇し、山下貴司法務相の問責決議案に賛成討論を行いましたが、自公与党に加えて維新などが否決。参院法務委員会での採決強行を経て、8日午前4時過ぎに改定出入国管理法案や漁業法改悪案などが、相次いで強行成立しました。
たつみ議員は8日朝、急きょ帰阪し、府内各地で街頭演説。安倍政権が暴走した国会を「議会制民主主義を破壊する暴挙だ。言論の府である国会での議論が封殺された」と批判しました。
本気の共闘実らせて政権打倒を
8日夜、大阪市北区の繁華街で、市民と野党の共闘を応援する市民グループ「みんなで選挙☆ミナセン大阪」が呼び掛けた緊急抗議街宣が取り組まれ、市民らがマイクを手にスピーチ。数々の悪法を強行した政府を告発しました。
緊急街宣に駆け付けた、日本共産党のたつみコータロー参院議員は、出入国管理法改定案審議をめぐるデータねつ造や虚偽答弁など安倍政権の異常な国会対応を告発し、野党議員による政府資料の書き写し作業や問責決議案提出など、共同のたたかいが発展して安倍政権を突き動かしたと指摘。「市民と野党の本気の共闘を実らせて、安倍政権を必ず打倒しよう」と呼び掛けました。
社会民主党大阪府連代表の服部良一元衆院議員は、大阪万博開催を口実にカジノ誘致を目指す維新政治を批判。ギャンブル依存症の深刻な弊害を指摘し、維新政治ノーの声を広げ、カジノ誘致を阻止しようと訴えました。
緑の党の高橋登泉大津市議は、安倍政権の強権的な国政運営が地方行政にも影響を及ぼしているとし、民主主義のルールと暮らしを守る政治実現が必要だと指摘。立憲民主党の新里嘉孝・大阪市北区市政対策委員長は、改定水道法強行を批判し、「公営水道事業を外国資本に売り渡すなど誰も望んでいない。命の水を営利企業に委ねることは絶対に許されない」と訴えました。
「野党頑張れ!」と声援を送る通行人も多く、派遣勤務の女性(24)は「強行採決ばかりの安倍政権に怒りを感じる。日本で暮らす誰もが希望を持てる社会であってほしい」と話していました。
(大阪民主新報、2018年12月16日号より)