声を届けて
たつみコータロー参院議員の国会論戦
大井川に高さ50㍍の残土の山
リニア中央新幹線は、東京・品川~名古屋間が2027年の開業予定とし、その後工事を再開して大阪まで延伸する計画です。開業費用は東京・名古屋間で5兆4千億円、大阪までの延伸分を加えると9兆円を超える巨大プロジェクトです。巨大な無駄遣いと深刻な環境破壊など、多くの問題点が指摘されています。
各地の運動を交流
近畿各府県の日本共産党は14年9月6日、大阪市内でリニア新幹線問題について運動交流懇談会を開催しました。
同年8月に発足した党国会議員団プロジェクトチームの穀田恵二衆院議員とともに出席した、たつみコータロー参院議員は、計画予定地の視察調査を踏まえ、①今世紀最大のプロジェクトでまちと暮らし、環境の破壊を伴う②水枯れなど水源地に悪影響を及ぼし、トンネル残土処理など自然と生態系に深刻な影響をもたらす③駅、車両基地周辺など大規模開発の一方で立ち退き区域指定など財産権を侵害する――などの課題を報告しました。
各府県の担当者から、誘致合戦の実態や、観光都市の経済活性化にとってかえってマイナスとなること、新たな無駄遣いを誘発していること、巨大事業頼みの危うさなどが報告されました。
たつみ議員は14年7月7、8の2日間、岐阜県と愛知県に入り、新駅設置による環境悪化、車両基地予定地による住民の立ち退き、土木工事による希少生物への影響などを視察。さらに9月、大深度トンネルを通す南アルプスなど静岡県内の山間部などで、残土置き場の関連予定地を視察しました。
地方を衰退させる
静岡県内の工事残土は、大井川河原など複数箇所に、高さ50㍍、延長1㌔など置き場を設けて運び込むとされ、地元住民は「大井川の燕沢は扇状地で土砂を一番捨ててほしくない所」と不安の声を上げていました。たつみ議員は「国会に皆さんの声を届け、無謀な計画をただしていきたい」と語りました。
「山梨県の実験線から始まって神奈川、静岡、岐阜、愛知の沿線自治体の調査に入り、住民や自治体の方々からお話を聞いてきた」「高さ50㍍、15階建てマンションほどの残土が1㌔続く。崩れたらどうなるかと心配されている」
たつみ議員は14年10月16日の参院国土交通委員会で、長野県の大鹿村と南木曽町、静岡県の大井川など現地調査に基づき質問しました。リニア中央新幹線(東京・品川―名古屋)計画で、JR東海の工事実施計画で前例のある環境保全協定を拒否している問題を追及。東京一極集中や3大都市圏へのストロー効果などの弊害を示し、「リニアは世界に例を見ないプロジェクトだと言うが、その代償は取り返せない自然破壊であり、地方をより衰退させる事業を認可すべきではない」と強調しました。
(大阪民主新報、2018年12月23日号より)