大阪市廃止・解体は時代逆行
大阪市議会特別委 共産・山中議員が主張
13日開かれた大阪市議会大都市税財政制度特別委員会で、日本共産党の山中智子議員が質問に立ち、大阪市を廃止して「特別区」に再編する「大阪都」構想などについて吉村洋文市長らにただしました。
「大阪都」構想はすでに決着済み
「大阪都」構想は2015年5月の住民投票で否決されたにもかかわらず、吉村市長らは「再挑戦」を掲げ、すでに大都市税財政制度特別委員会で13回、制度設計を検討する法定協議会で16回議論されてきました。山中氏は議論の中で反対意見が多数なのは明らかだと強調。「『都』構想は百害あって一利なしということが、ほぼ合意済み、決着済みだ」と断じました。
全国には20の政令市があり、姫路市なども政令市を目指していることを示し、「(府と大阪市があるのは)『二重行政だ』などと言っているのは大阪だけで、他の府県では政令市に権限を下ろすなど、共存共栄している。政令市を廃止して府に集権化するのは、まさに時代逆行だ」と批判しました。
さらに内閣官房の「地域魅力創造有識者会議」の報告書(6日)では、東京圏以外の政令市・中核市など、地域経済を支える「中枢中核都市」から80の候補都市を年内にも選び、人材・財政両面で支援して都市機能の強化を図ることを打ち出していると指摘。「政令市をつぶす『都』構想とは真逆だ」と述べました。
副首都推進局は「東京一極集中を是正し、東西二極で日本をけん引するためにも、大都市制度改革が必要」などの答弁に終始。山中氏は「大阪が成長すれば四国や九州も成長するかのように言うのは、おこがましい限り。発想自体、おかしな考えだ」と語りました。
カジノの誘致はまったくの論外
山中氏は、現在焦点になっているのは、2025年に大阪での開催が決まった国際博覧会(万博)やカジノを核とした統合型リゾート(IR)の問題だと指摘。財政難の中で万博はできるだけ簡素なものにすべきだが、「IR・カジノは全くの論外だ。カジノで大損するのは大阪周辺の一般市民。大阪経済にとってマイナスでしかない。いますべきことは不毛な制度いじりではなく、どうすれば大阪経済が良くなるのかという政策の中身、政策選択の問題だ」と力説しました。
吉村市長は、「IRも大阪の成長に寄与する。大阪全体の成長へ政策の幅を広げるためにも(「都」構想で)広域機能を強化すべき」と強弁。山中氏は「カジノのカモにされるのは、大阪周辺の一般市民。どうして大阪の成長の起爆剤になるのか」と厳しく反論し、「大阪市をつぶし、半人前の自治体でしかない『特別区』にすることは、地方自治の破壊だ。世論調査でも『都』構想には反対が多数だ」と述べ、「都」構想議論を打ち止めにするよう求めました。
(大阪民主新報、2018年12月23日号より)