おおさかナウ

2019年01月13日

万博テコにしたカジノやめよ
共産党大阪市議団が予算要望

 日本共産党大阪市議団(せと一正団長)は2018年12月27日に来年度の予算編成と当面の施策に関する要望書を吉村洋文大阪市長に提出しました。要望書は、万博誘致をテコに、巨大開発を伴う統合型リゾート(IR)、カジノのための「夢洲まちづくり構想」を見直すことや、震災対策など防災を抜本的に強めることなど、12項目を柱に、簡素な万博を目指すことや、災害時に身体障害者や高齢者などへ災害情報が周知できる対策を講じることなどを求めています。

防災 抜本的に強めよ

「都」構想はきっぱり断念を

 山中智子幹事長は、「市民生活は引き続き本当に大変で、2018年は災害が相次ぎ、ソフト面でもハード面でも、安心・安全の街づくりは急がれる」と述べるとともに、「万博開催にも人もお金が必要になってくる。『大阪都』構想についてはきっぱりと断念し、簡素な万博の成功や市民生活を向上させることにこそ力を注ぐべきだ」と述べました。

高い介護保険料引き下げを

 「全国一高い」とも言われる介護保険料の引き下げなど、介護保険を安心して活用できる制度へ改善することも要望しました。国民健康保険制度について、国庫負担率を引き上げ、1兆円規模の公費拡充により、協会けんぽ並みの負担率にするためことや、子どもの多い世帯の保険料負担軽減策などを求めました。

 井上ひろし政調会長は、「子どもの数が多いほど保険料が上がる仕組みになっている。子育て支援には逆に負担を下げなければならないはず」と指摘。仙台市では保険料のうち、世帯人数に掛かる部分について18歳未満を3割減の対象としています。

テスト漬けの教育は解消を

 憲法や子どもの権利条約に基づく教育を進めることも要望しました。特に大阪市独自のテストや全国いっせい学力テストなど含め、テスト漬けを解消することや、学力テスト結果の学校別結果公表をしないこと、テスト結果を教員評価として扱わないことを求めました。

 また市立学校の廃止につながる府への移管計画は撤回すること、西高校や南高校、扇町総合高校の統廃合計画を撤回することなども求めました。

中小企業支援抜本的強化を

 中小企業対策を抜本的に強化することも要望しました。支援予算は過去5年間で約51億円から約41億円に減ったとして、「足元を見た経済成長政策が必要だ」と指摘しました。維新市政で縮小された公衆浴場への固定資産税減免を求め戻すことも求めました。

 ほかに、原発から自然エネルギーへの転換をはかる▽安心・安全・低廉で安定した水道事業をすすめる▽「同和行政」を完全に集結する▽平和施策を推進する――などを要望しました。
 吉村市長は「財源のあり方など議論したい」などと応じました。

(大阪民主新報、2019年1月13日号より)

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