2019年01月13日
データで見る維新の10年
①雇用者報酬 大都市で最大の減少
松井一郎知事らは、大阪府と大阪市で維新の会の知事、市長になって大阪は元気になった、雇用が改善したと言います。本当にそうでしょうか。
各府県の経済規模などを示す内閣府の県民経済計算によると、2015年度の大阪府の雇用者報酬は18・5兆円です。
10年前の2006年度と比べると0・39%の増加で、大阪府のほか、県内総生産が30兆円を超す東京、神奈川、愛知の「大都市」の中では最低です(グラフ1)。
府内雇用者数は、同期間に7%増と東京に次ぐ伸び率ですが、1人当たりの雇用者報酬の減少は4都府県で最大です。
地域経済成長の源泉ともいえる家計消費を支えるのが、労働者が受け取る賃金などの「雇用者報酬」です。ここが増えないと、いくら戦後最長の景気回復だといっても、実感できません。
さらに大阪府の非正規雇用の割合は、4都府県の中で最高の40・3%。1人当たりの報酬額は大きく落ち込んでいます(グラフ2)。
府民経済計算(2014年度版)では、こうした状況を「企業の業績は回復傾向にあり。労働需要が大きくなっていますが、それが労働者を通じて家計に配分されておらず、結果、消費が伸び悩んでいる状況」「経済の好循環を生み出すためには、新たに生み出された付加価値が企業の内部留保にとどまるだけでなく、賃金(給料)という形で労働者に配分される必要があります」と分析しています。
橋下徹氏の大阪府知事就任から10年。実際にはどのように変わってきたのか。さまざまなデータから、維新のもとでの大阪の姿をシリーズで読み解きます。
(大阪民主新報、2019年1月13日号より)