おおさかナウ

2019年01月20日

声を届けて
たつみコータロー参院議員の国会論戦
「地震に強い」は安全神話 リニア活断層対策なしと追及

南アルプスを視察する、たつみ議員ら=2015年10月15日、静岡市葵区内

南アルプスを視察する、たつみ議員ら=2015年10月15日、静岡市葵区内

 リニア中央新幹線計画をめぐり、たつみコータロー参院議員は2015年10月、市民グループ「リニア新幹線を考える静岡県民ネットワーク」と共に静岡県北部の南アルプスで計画予定地を視察しました。

 静岡県内の建設ルートはすべて、トンネルで南アルプス直下を貫通。工事残土は約360万立方㍍で、1㌔にわたり高さ50㍍の残土を置くなど無謀な計画に、住民の不安の声が寄せられています。視察では工事残土置き場や、大井川の水涸れ対策とされる導水路予定地などを調査しました。

国民的運動さらに

 質問するたつみ議員=2016年5月26日、参院国土交通委員会


質問するたつみ議員=2016年5月26日、参院国土交通委員会

 たつみ議員は2015年10月24日、日本共産党中央委員会主催の「リニア中央新幹線問題を考えるつどい」(名古屋市)に、リニア問題プロジェクトチーム事務局長として出席。リニア沿線の都府県から住民と運動団体の代表、研究者、地方議員らが参加し、リニア計画の現状や採算性などの疑問、自然や生活環境を守るたたかいと運動を多彩に交流しました。

 つどいでは大都市部での建設工事に伴う立ち退き問題など今後の課題が提起され、国民的議論と運動を起こしていく重要性が提起されました。

 翌11月の党中央PT会議に出席、住民運動との連携を強めることと合わせ、国会での追及へ全力を挙げると表明しました。

楽観論の責任重い

 「公共交通機関として最も重要な命題が安全です。事業化に当たっての大前提だ」リニアは安全なのか」(2016年5月26日、参院国土交通委員会)

 たつみ議員は、JR東海が建設を進めるリニア中央新幹線について、熊本地震と同程度の地震を引き起こす危険のある活断層帯が路線を横切っている問題を取り上げ、安全神話をふりまいてきたJR東海と国の責任を追及しました。

 たつみ議員は、リニアの計画路線を横切る活断層は30を超え、「糸魚川―静岡構造線断層帯」「曽根丘陵断層帯」「木曽山脈西縁断層帯」などマグニチュード7超の地震を起こす可能性のある活断層帯が7つあると指摘。「活断層のリスクを評価したのか」と追及しました。

 国側が「リニア新幹線は地震に強いシステム」と説明。これに対し、たつみ議員は、「(揺れに対する優位性だけでなく)断層変位に対して優位性があるのか」「直下型地震で最大6㍍ずれるところもある。活断層のリスクを評価し対策をとっているか」と追及すると、国交省鉄道局長は、「個別の断層のずれに対する評価はしていない」と認めました。

 たつみ議員は、「丁寧な説明、丁寧な説明と言ってきたが全然違う」と批判。直下型地震による断層ずれで軌道が破壊されれば、時速500㌔㍍のリニアが破損した構造物に激突する危険があり、ブレーキをかけてから停車までの制動距離は新幹線の2倍6㌔必要だと指摘。「地震被害のリスクが高いのがリニアだ」「地震に強いシステムだと楽観論を振りまいてきたJR東海と、認可した国の責任は重い」と批判し建設をやめるよう迫りました。石井啓一国交相(当時)は「JR東海に、リニアが多くの活断層と交差することを踏まえ万全の対策を行うよう指導監督していく」と答弁しました。

(大阪民主新報、2019年1月20日号より)

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