声を届けて
たつみコータロー参院議員の国会論戦
子どもたちの受け皿 医療後退許すな 住吉市民病院
「小児・周産期医療体制整備のために、とりわけ公立病院の果たしている役割が重要です」「救急、小児、周産期などの不採算部門を提供してきたのが住吉市民病院です」
日本共産党のたつみコータロー議員は2016年3月10日の参院厚生労働委員会で、地域の小児・周産期医療を担ってきた住吉市民病院廃止・統合再編計画に政府が同意した問題をただしました。
同病院再編計画は、橋下徹元大阪市長が2011年、「二重行政の無駄」だとして現地建替の方針を転換し、病床の一部を府立急性期・総合医療センターに統合すると打ち出したもの。7万を超える反対署名を受けて、「民間病院誘致」を言い出しましたが、これが2度頓挫。公募をやめて民間病院を選定し、大阪府が提出した再編計画を厚労省は16年2月29日同意しました。
かけがえない役割
質疑でたつみ議員は、住吉市民病院が果たしてきた役割について、「重症心身障害児者の地域生活モデル事業を受託し、未受診や飛び込みによる出産を積極的に受け入れてきた」「児童虐待の被害児の一時保護受け入れを積極的に行い、社会的に厳しい環境に置かれた子どもたちの受け皿として広く認知されてきた」と述べ、さらに発達障害専門外来の実施や人工呼吸器を装着した在宅小児患者に対するレスパイト入院など、かけがえのない機能を果たしてきたと指摘。国への再編計画申請に先立つ府医療審議会の意見書で反対した委員が12人(賛成1人、賛否保留4人)と多数を占めたとし、全国の公立病院再編計画で反対意見が付された例がないことを取り上げ、「まさに前代未聞だ」と批判しました。
さらに誘致予定の民間病院には産科や小児科の経験がないと指摘し、「医療の継続性に疑問があり非現実的な計画だ。住民の理解も地元の納得も得ていない」と同意撤回を迫りました。
塩崎恭久厚労相(当時)は、「地元の理解が十分とは言えない」と認めながら、「再編計画が円滑に進むよう府と市の対応を注視していく」と答えました。
たつみ議員は、「地元が求めているのは確実な医療体制の確保だ」と重ねて指摘。「民間では難しい周産期医療を府と市の公立病院で担うことを『二重行政の無駄』と強弁して地域医療を壊す計画に手を貸したのが安倍政権だ」と批判し、再度、同意の撤回を求めました。
地域の医療を守れ
たつみ議員は住吉市民病院と地域医療を守るため、住民運動と連携し、現地調査をはじめ大阪府市当局への要請など活動を続けてきました。
15年11月19日には、松井一郎知事に対し「再編計画」申請を行わないよう求めた住民代表の要請行動に同席、「7万人の存続署名に込められた地域住民の思いを重く受け止めて、申請を強行することがあってはならない」と求めました。
16年2月26日には、清水忠史衆院議員(当時)とともに厚生労働省に対し、松井府知事が提出した再編計画に同意しないよう申し入れ、「再編計画は地域医療を守る中身になっていないという意見書を、重く受け止めるべきだ」とし、再編計画の実効性を検証するよう強く求めました。(続く)
(大阪民主新報、2019年2月17日号より)