声を届けて
たつみコータロー参院議員の国会論戦
医療空白招く事態 公的病院機能強化を
「民間では担えない必要な公的医療に、『二重行政』のレッテルをはり廃止した維新政治に、安倍政権がお墨付きを与えた」
「大阪府医療審議会や市民が懸念した通りの事態に陥っている。医療審議会が反対した前代未聞の再編計画を厚労省が同意した責任をどう受け止めるのか」
国の責任も重大
日本共産党のたつみコータロー参院議員は2017年5月15日、参院行政監視委員会で、強引な統廃合計画が進められている住吉市民病院について「医療空白を起こさないため公的医療機関の設置を促す役割を国が果たすべきだ」と迫りました。
大阪府は同病院を廃止して、跡地に民間病院を誘致する再編計画を2015年12月厚労省に提出。府医療審議会が反対意見書を付けたにもかかわらず厚労省は計画に同意しました。その後、ずさんな設計のため民間病院の開業が遅れることが発覚、大阪市はこの事実を半年以上市民にも議会にも隠していたことが明らかになりました。
たつみ議員は「計画に同意した大臣は、大阪府・市に丁寧な説明を行うようにと答弁したが、大阪市が行ったのは、議会や地域住民をだましたということだ」と追及。塩崎恭久厚労相(当時)は「大阪府・市の対応策を注視する」と無責任な答弁を繰り返しました。
スタートが間違い
たつみ議員は、住吉市民病院について、児童相談所から児童受け入れを行い、重い病気や障害のある子を預かり家族の負担を軽減する重症心身障害児のショートステイも担ってきたと指摘。「示された再編計画の不履行は不可避であり、このままでは2年以上医療空白が生じる可能性がある」と強調し、「そもそものスタートから間違っていた。大臣には同意しない選択肢もあったはずだ」と国の責任を追及し、民間病院が2018年4月に開院しない場合の対応をただしました。
厚労省担当者は「正常分娩や小児一次救急をどうするか府・市の話を聞き検討したい」とのみ答弁しましたが、たつみ議員は「再編計画は医療機能の充実を図るためのもので、数合わせや言葉だけの連携では駄目だ」と強調。同病院の廃止延期を含めた国の責任による対策を強く求めました。
住民の願い届ける
たつみ議員は、2016年12月21日、病院再編計画の見直しを求めた「住吉市民病院を充実させる市民の会」の大阪府交渉に同席し、「再編計画そのものが崩れたと認識せざるを得ない」と指摘。府立急性期・総合医療センターと民間病院の代表が参加する住民説明会の開催を求めました。
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【住吉市民病院】小児・周産期医療が不足する大阪市南部で年間約700件の分娩を受け入れながら、「二重行政」と無駄扱いした橋下徹前市長の下、2013年に廃止条例が強行され、現地建て替えを求める住民の声を無視したまま2018年3月に閉院しました。
暫定的に同病院跡地で入院機能のない「住之江診療所」が運営されていますが、市が目指す2024年の新病院誘致が実現するかは不透明です。
(大阪民主新報、2019年2月24日号より)