維新府・市政がIR基本構想案
世界最大級カジノ狙う
大阪府と大阪市は12日、カジノを核とした統合型リゾート(IR)を大阪湾の埋め立て地・夢洲(ゆめしま)に誘致するための「大阪IR基本構想案」を発表しました。カジノの売り上げ額や投資規模からも“世界最大級”のカジノを狙う内容となっています。
カジノ売り上げ3800億円に
維新の府・市政は大阪万博が開かれる前年の2024年までに夢洲でのIR開業を狙っています。「世界最高水準の成長型IR」をうたい、万博開催予定地に隣接する敷地(約60万平方㍍)に、カジノ、国際会議場、展示場、3千室のホテルなどを併設した施設(総延べ床面積100万平方㍍)をつくるというもの。
IR全体の年間売上額4800億円のうち、カジノの売り上げ(客が負けた額)は8割(3800億円)を占めています。松井一郎知事らカジノ推進派は「カジノエリアは3%に過ぎない」と言ってきましたが、カジノがIRの中心であることが浮き彫りになっています。
年間延べ利用者数2480万人のうち、カジノ客は約24%の590万人と見込み、カジノの売り上げのうち外国人は2200億円、日本人は1600億円としています。
カジノの年間売り上げ(2017年)は、米資本のラスベガス・サンズ社がシンガポールで運営する「マリーナ・ベイ・サンズ」の2849億円を約1千億円上回り、世界最大のギャラクシー・マカオ(マカオ)の5819億円に次ぐもの。事業者の投資規模も9300億円と、「マリーナ・ベイ・サンズ」の4870億円を大きく上回ります。
基盤整備で巨額投入へ
府市新年度予算案
大阪府や大阪市は2019年度予算案で、2025年の大阪万博の会場建設費のほか、夢洲の整備費などを計上し、「カジノありき」で巨額投入に踏み出そうとしています。
万博会場建設費約1250億円のうち、府市は今回、計2億7100万円を計上。夢洲のインフラ整備を担う市は、19年度から計954億円の整備費を投入する計画を発表。地下鉄中央線を夢洲まで延伸するために541億円、万博会場の埋め立てに136億円、上下水道の整備に132億円を見込み、新年度予算案は57億7300万円を計上しています。
府市は24年度中のカジノ開業を前提に、事業者の公募に向けた調査費3200万円、事業者選定委員会の設置・運営に215万円を計上。法律に基づく協議会の設置・運営に135万円を盛り込んでいます(いずれも府市で折半)。
(大阪民主新報、2019年2月24日号より)