市民と野党の共闘・共産党の躍進で
統一地方選参議院選挙を
〝安倍政治さよなら選挙〟に 志位委員長
2月24日、府内3カ所で演説した日本共産党の志位和夫委員長は、「市民と野党の共闘の勝利と日本共産党の躍進で、連続選挙を安倍政治さよなら選挙にしよう」と訴えました。
志位和夫委員長が訴え
高槻市内での演説で、志位氏は、安倍政権とのたたかいが7年目に入ったとし、「これ以上この政権に政治を任せ続けたら、日本の政治も、経済も、社会も壊されてしまう」と述べ、「国民の声に耳を傾けない。数と暴力で問答無用と強行採決を繰り返す。公文書を改ざんし、統計を偽装し、首相自身がうそを繰り返し、うそのつじつまを合わせるために周りのみんながうそをつく。こんな政治が戦後かつてあったでしょうか。もう終わりにしよう」と呼び掛けました。
消費税10%増税を許さない
富裕層と大企業に応分負担を
志位氏は、「10月からの消費税10%増税を許していいのかは大争点」だと強調。衆院予算委員会で行った安倍首相と自身の論戦を、質問で使ったパネルを示しながら報告しました。
志位氏は、2015年の消費税8%増税以降、家計消費も実質賃金もマイナスであることを安倍首相が認めたことを紹介しました。
安倍首相が誇る「380万人の就業者増」の実体についても、その内訳は25歳から64歳まではわずか28万人しか増えていないのに対し、65歳以上が266万人、15歳から25歳が90万人増えていると指摘しました。志位氏は、少ない年金で働かざるをえない高齢者や、仕送りだけでは生活できない学生が勉強する時間を削ってアルバイトをしなければならない実態を告発し、「こういう現状があるならば政治がまずやるべきことは、低すぎる年金を底上げし、高すぎる学費を抜本的に引き下げることではないか」と問い掛けると、会場から大きな拍手が起きました。
志位氏は、深刻な消費不況、実質賃金の落ち込み、就業者増の中身は生活苦だという3つの角度から、「消費税10%増税の根拠は総崩れになったことが国会論戦の到達点だ」と述べました。
その上で、消費税に頼らない別の道として、アベノミクスで大もうけをしている富裕層と大企業に応分の負担を求めることや、大企業優遇税制を正すなどの日本共産党の対案を示し、「共産党の躍進で、消費税10%を必ず中止に追い込もう」と訴えました。
安倍首相の9条改憲許さない
憲法9条生かした平和外交を
志位氏は、「安倍首相による憲法9条改定を許さないことも大争点」だと述べました。
志位氏は、憲法9条に自衛隊を書き込む理由について、安倍首相は昨年、「自衛隊を憲法に書くだけで何も変わらない」と語っていたのに対し、今年に入り、別の理由を言いだしたと述べました。
安倍首相が国会答弁で、自衛官募集に6割以上の自治体が協力しない状況に終止符を打つために、自衛隊の存在を憲法上明確に位置付けることが必要だと言い始めたことに触れ、「恐ろしい馬脚が現れた」と指摘。「9条に自衛隊が書き込まれたら、自治体から無理やり若者の名簿を召し上げる。もっと言えば、若者を戦場に強制動員することが9条改憲の狙いだということを、自ら明らかにした発言だ」とし、「9条改憲は絶対に許してはならない」と訴えました。
志位氏は、安倍首相の改憲案が、過去の侵略戦争を正しい戦争だとし、日本国憲法を根本的に変えることを主張する「日本会議」の主張と同じだとし、「ウルトラ右翼集団と身も心も一つのファッショ的政権に、日本の政治を任せるわけにはいかない」と強調。そもそも内閣総理大臣が憲法を変える旗を振ること自体が、憲法第99条の憲法尊重擁護義務への暴挙だとし、「市民と野党の共闘の勝利、日本共産党の躍進で安倍政権を大敗させ、安倍政権もろとも9条改憲の企てを葬り去ろう」と力を込めて訴えました。
志位氏は日本共産党が提唱する「北東アジア平和協力構想」に、海外の首脳からも共感が寄せられていることを紹介。憲法9条を生かした平和外交に取り組んできた党の躍進を呼び掛けました。
辺野古新基地建設許さない
沖縄県民投票の結果尊重せよ
志位氏は、沖縄米軍基地問題も大きな争点だと述べました。
「安倍政権は、県民がどれほど反対しても強権をふるって(基地建設を進め)あきらめさせるという打算でやってきた」と批判し、「県民の回答は、“勝つ方法はあきらめない”ことだ」とし、「今、追い詰められているのは安倍政権だ」と強調しました。
衆院予算委員会での志位氏の代表質問に対し、安倍首相が、大浦湾側に軟弱地盤があることを初めて認め、玉城デニー知事に、地盤改良などの設計変更申請を行う方針を明らかにしたことを報告。安倍首相がその中で「一般的で施工実績が豊富な工法」で地盤改良工事は可能だと答弁したことは、「まったくのうそだ」と批判しました。
軟弱地盤は海面から90㍍に達し、7・7万本もの杭(くい)を打たなければならず、「(世界的に見ても)前例はなく、施工実績はゼロ」だと指摘。玉城知事が申請を許可することも決していないとして、「新基地建設は、技術的にも政治的にも不可能。知事が頑張り、オール沖縄が頑張り、全国が連帯すれば、辺野古新基地は決してつくれない」と強調しました。
24日投票の辺野古新基地建設のための埋め立ての賛否を問う県民投票について、「さまざまな選挙結果でどんなに大敗しようと、安倍政権は、争点はいろいろあると言って民意を尊重しなかったが、今度ばかりは争点は一つ。民意を尊重するべきだ」と語り、普天間基地も無条件撤去することをアメリカと交渉すべきだと述べました。
決め手は市民と野党の共闘
自・公・維を少数に追い込もう
志位氏は「決め手は市民と野党の共闘」とし、1月28日の国会召集日に開いた野党5党1会派の党首会談で、参院選32の1人区すべてで速やかに候補を一本化へ調整することを確認したと報告。
2015年9月19日の安保法制(戦争法)強行可決直後に、共産党が提案し、野党共闘の道を踏み出したことを振り返り、「日本の政治を変えるのは共闘しかない」と志位氏は強調。「参院選で自民・公明と補完勢力の維新を少数に追い込み、衆院でも少数に追い込み、野党連立政権をつくろう」と述べ、そのためにまず、統一地方選挙での日本共産党の躍進をと訴えました。
(大阪民主新報、2019年3月3日号より)