終日営業取りやめで違約金1700万円要求
セブン FC契約解除も
東大阪 たつみ参院議員が調査
東大阪市にあるコンビニ「セブンイレブン東大阪南上小阪店」が人手不足などを理由に2月から24時間営業を取りやめたところ、本部からフランチャイズ(FC)契約の解除と1700万円の違約金を求められていることで、日本共産党のたつみコータロー参院議員は2月23日に店舗を訪れ、オーナーの松本実敏さん(57)から聞き取りしました。
多くのオーナーの苦境を変えたいと
「苦しいのは決して私だけではありません。多くのオーナーの苦境を変えたいと思い、営業時間短縮に踏み切りました」。2012年のオープン以降、コンビニの代名詞ともいえる「24時間営業」を守り続けてきた松本さんですが、2月1日から客の少ない午前1~6時に店を閉め、1日19時間営業に変更しました。
安定的にシフトを組むには、パート従業員を含め20人程度のスタッフが必要です。しかし実際はその半数に届かないほど、人手不足が常態化。2年前にも本部側に営業時間短縮を願い出ましたが、認められなかったといいます。
事態を変えたのは昨年5月、一緒に店を切り盛りしてきた妻をがんで亡くしたことでした。
8カ月で休日3日 24時間連続勤務も
「余命宣告を受けてからも、闘病中の妻の休日は抗がん剤治療の通院日だけ。手術治療の退院翌日からも店舗に顔を見せました」と振り返る松本さん。妻の死去後もシフトを埋めるため店に立ち続け、8カ月間で休んだのは3日ほど。24時間以上の連続勤務が何度もあったと語ります。
「人間らしい暮らしって一体なんなのでしょうか?」と問い掛ける松本さん。「命よりも大切なものはないはずです。各オーナーの実情に応じて、柔軟に営業形態を選択できるようにしてほしい」
「24時間営業」をやめた松本さんに対し、本部は営業時間を戻さないとFC契約を解除すると示唆。面談に訪れた本部社員は、「時短営業は契約違反」とし1700万円の違約金が発生すると伝えたといいます。
店舗は赤字でも本部が潤うFC契約
背景には、本部と加盟店が結ぶFC契約の特殊性があります。売上高から原価を除いた粗利益に基づくロイヤリティーを得る本部側に対し、店舗にとっては客の少ない深夜営業は、人件費だけで赤字になるケースが多いといいます。
聞き取り調査には、同党のうち海公仁府議候補(東大阪市区)も同行。たつみ議員は店舗経営の実情について質問し、「あまりにひどい実態です。コンビニオーナーさんの長時間労働や搾取の問題を改善するため、今後も国会で取り上げていきたい」と話しました。
(大阪民主新報、2019年3月3日号より)