命と暮らし守る政治へ 維新政治の転換を
カジノ・「都」構想にストップを
共産党大阪市議団が懇談会
日本共産党大阪市議会議員団(瀬戸一正団長)が2月20日、大阪市役所内で予算議会懇談会を開き、労組や市民団体の代表、4月の大阪市議選の候補者ら61人が参加しました。
瀬戸団長のあいさつにつづき、山中智子幹事長が市政をめぐる情勢や2019年度当初予算案の内容や問題点について報告しました。
住民投票実施 絶対許さない
山中氏は、大阪市を廃止・分割する「大阪都」構想の住民投票実施をめぐり、松井一郎知事が公明党との「密約」を暴露し、「出直しダブル選」まで持ち出す中、制度設計を議論する法定協が紛糾してきた経過を詳しく説明しました。「都」構想は2015年の住民投票で否決されて決着済みだが、再設置された法定協の議論で、「特別区」は半人前の自治体であり、庁舎整備などで莫大なコストがかかるなど「百害あって一利なし」であることは明らかだと強調。「住民投票実施を絶対に許さないためにも、統一地方選での日本共産党の躍進が必要。皆さんとともに全力を挙げたい」と語りました。
カジノ万博へ動きが始まる
予算案について山中氏は、2025年の大阪万博とカジノ誘致に向けた動きが始まっていると指摘。万博の開催予定地でカジノ誘致が狙われる大阪湾の埋め立て地・夢洲の基盤整備に57億7300万円、カジノ誘致に1億6300万円を計上しており、カジノ誘致についての府市の基本協定では、法律上の申請主体は府になっていると述べました。
安全・安心の街づくりと災害復旧については、台風21号で被害を受けた樹木や公園施設は19年度中に復旧するほか、救急隊を現在の63隊から69隊に増やすことが盛り込まれていると報告。一方、災害時には避難所となる学校体育館へのエアコン設置は、各行政区で中学校1校にすぎないとしました。
吉村洋文市長は「子どもの教育・医療 無償都市大阪」を看板にしているが、テスト結果を校長の人事評価に反映させるほか、府の「チャレンジテスト」で対象外となっている中学1年生の理科と社会について市独自のテストを導入することや、生野区での学校統廃合や市立高校の統廃合など、教育破壊を批判しました。
教育つぶしや何でも民営化
維新が進めてきた「何でも民営化・統廃合」の問題では、4月から大阪市立大学と府立大学の法人が統合され、博物館施設がすべて独立行政法人化されることなどを報告。「大阪メトロ」が、カジノ頼みで夢洲での超高層駅ビルなどに1500億円を投資する計画を出しているとし、「民営化の正体が浮き彫りだ。公共交通としての役割を果たすべき」と述べました。
維新政治倒し 新しい大阪を
最後に山中氏は、建設局での談合や水道局の不正工事など不祥事が相次ぎ、市職員は仕事が増えるが人は減り、現場から声を上げられない実態があると指摘。吉村市長が「都」構想をめぐる政争に明け暮れ、「出直しダブル選」で知事との交代まで口にしていることに心ある職員から怒りや憤りの声が出ているとし、「公務労働者が働く喜び、やりがい、気概を奪われている下で、市民の幸せはあり得ない。力を振り絞って維新政治を倒し、新しい大阪を築きましょう」と呼び掛けました。
参加者からは、「住吉市民病院跡地に造る新病院は、小児科も産科も病床ゼロの計画で、病院廃止条例が可決された当時の付帯決議にも反する。市議会でもさらに追及してほしい」(保険医協会)、「東日本大震災で咲洲庁舎に大きな被害が出たが、大阪メトロは夢洲に高層ビルを建てるという。とんでもないことだ」(年金者組合)などの発言がありました。
福島区の山田みのり候補や、西区のかわさき洋子候補は、マンション建設で人口が急増し、小学校の過密化や保育所不足が深刻になっている現状を報告。港区の吉川れい子候補は、住民運動と共産党大阪市議団が連携した9年がかりの取り組みで、大阪港駅に2基目のエレベータが昨年8月に設置されたとし、「今度は地元での党議席を勝ち取りたい」と語りました。
(大阪民主新報、2019年3月3日号より)