声を届けて
たつみコータロー参院議員の国会論戦
「白タク」合法化許されない ライドシェア問題
「規制緩和が許されないのはタクシー業界も同じです。白タク行為はなぜ禁止されているのか述べてください」(2016年3月10日=参院国土交通委員会)。
無茶苦茶な制度
たつみコータロー議員は、国家戦略特区諮問会議が自家用車によるライドシェアなどタクシー業界への規制緩和の動きを強めている問題で、「これ規制撤廃ですよ。地域のニーズは関係ない、むちゃくちゃな制度だ」と厳しく批判しました。
道路運送法は、一般ドライバーが「白ナンバー」の自家用車で有料送迎する、いわゆる白タク行為を禁止しています。例外なのが公共交通手段のない過疎地域で自家用車の使用を認める「自家用有償旅客運送」制度です。政府はこれを訪日外国人など「観光客」の輸送需要に対応する制度に広げるとして、制度見直しの検討を進めました。
質疑でたつみ議員は、観光客以外も利用可能で大都市部でも制度が活用できるなどの問題点を指摘。「ライドシェアの解禁だ」と厳しく批判しました。
国交相は、「自家用有償旅客運送制度を拡充するもので、ライドシェアとは違う」と強弁しましたが、たつみ議員は「規制緩和どころか規制崩壊ではないか」と批判しました。
地域公共交通こそ
「規制緩和が過密労働・安全軽視をもたらし事故を起こしてきたのがこの間の教訓だ」。たつみ議員は同月23日の参院国土交通委員会でも、自家用車を使って客を運ぶ「ライドシェア」問題を取り上げ、安全を脅かす「白タク解禁」に道を開く規制緩和だと批判しました。
たつみ議員は、国家戦略特区法改定で導入する自家用有償観光旅客運送事業(観光客が対象)について、2種免許を必要とせず、通常のバス・タクシー事業より安全基準が緩和されるとし、ドライバーの健康管理や労働時間管理、飲酒チェックも緩いと指摘。道路運送法に基づく運営協議会ではなく、国家戦略特別区会議が事業者登録などの主導権を握ることになり、安全基準を緩和した事業が広がると追及しました。
「営利を目的としないことを前提としている」と言い訳に終始した国交省に対し、たつみ議員は、安全軽視の規制緩和はやめ、地域公共交通の予算増額が必要だと述べました。
安全を犠牲にする
「安全・安心の運行は最優先。経済の発展、成長のために犠牲にしてはならない」
たつみ議員は、同年5月19日の参院内閣委員会で、自家用車の「ライドシェア」の問題点をただし、「白タク」行為は「乗客の安全を確保する保証がない」と指摘しました。
質疑でたつみ議員は、三木谷浩史・楽天会長兼社長が代表理事を務める経済団体「新経済連盟」などが導入を求めるライドシェアの問題について、2種免許要件や運転手の健康配慮のための「改善基準告示」は、安全輸送にとって必要不可欠だと指摘しました。国際労働機関(ILO)が15年10月、ライドシェア会社に関して、雇用保障や労働条件の低下防止のための決議を採択したことや、世界的にドライバーによる暴行事件が問題になっていると強調。総務省調査で国民の8割が「利用もしたくない」し「検討もしていない」と答えた調査を示し、ライドシェアの推進をやめるべきだとしました。
国民の命守れない
「違法なものを合法化するものだ。国民の命と安全は守られるのか」。たつみ議員は2018年4月19日の参院経済産業委員会で、違法営業の「白タク」と批判が広がるライドシェア(自家用車による配車・送迎)事業の実証実験は、国民の命に関わる事態をもたらしかねないと指摘しました。
たつみ議員は、運転者と利用者をマッチングするサービスを行う会社「クルー」の配車アプリに対価の支払いを促す記載について、「白タク」行為だと批判。国交省の担当者は改善指示を行ったと答弁し、クルーが違法な「白タク」行為を行っていたことが明らかになりました。
(大阪民主新報、2019年3月24日号より)