おおさかナウ

2019年04月20日

声を届けて
たつみコータロー参院議員の国会論戦
刑法「暴行・脅迫」要件撤廃を

たつみ議員も参加した抗議のスタンディング=4月11日、JR東京駅前(「しんぶん赤旗」提供)

たつみ議員も参加した抗議のスタンディング=4月11日、JR東京駅前(「しんぶん赤旗」提供)

 「最大の問題は、被害者の同意、不同意を暴行脅迫の有無に限定している今の刑法にある」

 日本共産党のたつみコータロー参院議員は3月26日の参院予算委員会で、強制性交等罪の成立要件の「暴行脅迫要件」を撤廃し、世界潮流となっている性的行為への同意の有無を要件とすべきだと主張しました。

 改正刑法(2017年施行)は性犯罪規定を厳罰化した一方、「暴行・脅迫」要件など多くの課題が残されたままです。

 同意のない性行為を犯罪と罰するのが国際社会の潮流ですが、日本では強制性交罪の成否の鍵となる「同意」の有無を被害者の抵抗度合いで測るなど、意に反する性行為でも「暴行・脅迫」がなければ罪は成立しません。同要件は、被害者が被害を届け出る大きな壁となっています。

性犯罪問題ただす

質問するたつみ議員=2019年3月26日、参院予算委(「しんぶん赤旗」提供)

質問するたつみ議員=2019年3月26日、参院予算委(「しんぶん赤旗」提供)

 たつみ議員はまず、内閣府調査を取り上げ、女性の13人に1人が無理やり性交をされた経験を持ち、そのうち6割が誰にも相談できなかったと指摘。「相談をしても加害者の違法が認められず、泣き寝入りせざるを得ない状況にある」と国の対応をただしました。片山さつき男女共同参画担当相は、「第三者機関に(相談が)少ないということを重く受け止めたい」などと答弁しました。

 強制性交等罪成立のための刑法の「暴行脅迫要件」について、「激しく抵抗できなければ暴行脅迫要件が適用されず、途切れ途切れに抵抗すると心神喪失も抗拒不能(抵抗が著しく困難な状態)も認められず、同意もないのにレイプとされない」と批判しました。

 国連作成の「女性に対する暴力に関する立法ハンドブック」(09年)は、加害者に対し、被害者から性行為の同意を得たか否かの証明を求めるべきとし、「明確な自発的な合意」がない場合に、性犯罪が成立するとしています。

 たつみ議員は、国際社会の潮流に沿って「暴行脅迫要件は撤廃すべきだ」と主張。山下貴司法相は「性犯罪被害の実情の把握等を着実に進めたい」と述べるにとどめました。

 「そもそも相手の意思や心情を尊重するのは当然のことだと思います。むしろ確認することがなかったことが非難されるべきだ」。そう強調したたつみ議員は、「同意していない性交は性的自己決定権への侵害なのだから、同意そのものが問われるべきだ」と述べ、暴行・脅迫要件の撤廃を求めました。

交付金対象拡大を

 たつみ議員は、性暴力被害者救援ワンストップセンター事業交付金制度について、2019年度の交付金が概算要求から1・4億円減額されたと批判。交付金の対象拡大と予算の大幅増額を求めました。

 同交付金制度に含まれる被害者の医療費補助を申請していない大阪府のケースを取り上げ、性暴力救援センター大阪(SACHICO)では、警察に相談できない被害者を支援するため、基金を取り崩して医療費を賄っていると指摘。「再被害防止のため警察への相談を推奨する」との行政側の説明について、「警察に行けない人が多いからセンターを整備している。あり得ない理由だ」と厳しく批判しました。

 たつみ議員は、同党大阪府議団と実施したヒアリングで、大阪府が「被害者の範囲を広くとり、国から問題視されたら困る」と説明したとし、センターの支援対象範囲に国が立ち入るのかとただしました。

 内閣府は「都道府県、センターの意向に沿った形で申請し、それを国が認める」と答弁し、たつみ議員はそもそも少なすぎる国の予算を大幅増額するべきだと重ねて主張しました。

男性の問題として

 たつみ議員は、2018年秋、SACHICOを視察し、関係者と懇談。同年12月20日に大阪府庁を訪れ、性暴力被害者支援の取り組みについてヒアリングを実施。同交付金制度をめぐり、「医療費支援ができるよう、センター側と早急に話し合いをしてほしい」と要請しました。

 たつみ議員は4月11日夜、性暴力犯罪の裁判で無罪判決が相次ぐ事態に抗議し東京駅前で行われた「性暴力と性暴力判決に抗議するスタンディング」に参加し、ツイッターにこう書き込みました。

 「なぜレイプが処罰されないのか余りにもハードルが高いのか。社会を変えたい法を変えたいと声を上げる女性達。性暴力は男性、男社会の問題。変えていこう」

(大阪民主新報、2019年4月21日号より)

月別アーカイブ