おおさかナウ

2019年04月14日

声を届けて
たつみコータロー参院議員の国会論戦
スナック不当摘発を批判 憲法の営業の自由守れ

 「スナック経営者が相次いで逮捕され、業界に激震が走っています」「憲法が保障する営業の自由を守り、不合理な規制は変えるべきだ」

 たつみコータロー議員は2017年5月30日の参院経済産業委員会で、談笑やお酌をしただけでスナックのママらが逮捕され罰金を科せられている問題を取り上げ、風俗営業法の“接待基準”見直しを求めました。

時代遅れの基準

質問するたつみコータロー議員=2017年5月30日、参院経産委(「しんぶん赤旗」提供)

質問するたつみコータロー議員=2017年5月30日、参院経産委(「しんぶん赤旗」提供)

 風営法第2条は、「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなす」ことを警察の許可が必要な「接待」と定義。警察庁の通達「風営法の解釈運用基準」では、▽客の近くにはべり継続して談笑▽客の歌に手拍子をとり、拍手し、ほめそやす行為なども「接待」に当たるとしています。

 この「運用基準」に基づく警察の取り締まり強化によって、近年、全国各地のスナック経営者が逮捕され、罰金や営業停止などの行政処分を科す事例が頻発。廃業に追い込まれる店舗など、地域経済への深刻な影響が懸念されています。

 神戸三宮のスナック経営者のケースでは、営業中の店に約20人の警察官がなだれ込み、無許可営業の容疑で関係者を逮捕。20日間の拘留後、罰金50万円と6カ月間の営業停止処分となりました。京都市や札幌ススキノでも三宮のケースと同様に、「解釈運用基準」に基づき関係者が逮捕されています。

 お酌や談笑、カラオケなど風俗営業許可を取らずに「接待」行為をしたのが摘発理由ですが、その一方で、「解釈運用基準」は、「若干の世間話」「お酌をして速やかに立ち去る」「歌唱する客に遠くから拍手」するのは接待に当たらないとしています。

 「どこまでが世間話なのか。解釈運用基準は余りにも古い。明確性に欠け、恣意的運用が可能だ」と是正を求めたのに対し国側は、「歓楽的雰囲気を醸し出す営業行為は善良の風俗と正常な風俗環境を害する恐れがある」と繰り返し、引き続き規制対象にすると答弁。たつみ議員は、「大体、談笑もない、カラオケに拍手もないようなスナックが繁盛するとは到底思えない」と強調。「お酌や談笑相手になることが風営法の許可対象にされることが問題だ。社会通念上、当然の行為として認めるべきだ」と求めました。

営業の自由を守れ

院内集会であいさつするたつみ議員=2017年11月6日、参院議員会館 (「しんぶん赤旗」提供)

院内集会であいさつするたつみ議員=2017年11月6日、参院議員会館
(「しんぶん赤旗」提供)

 たつみ議員が取り上げたスナック経営者に対する不当摘発は、風俗営業法改正(1984年)時にも懸念の声が広がり、衆参両院で、▽営業の自由など基本的人権を侵害しない▽警察の立ち入りは職権乱用のないよう適正に運用する――などの付帯決議がつけられました。

 たつみ議員は「いきなり逮捕、処罰することを厳しく戒めている」と述べ、風俗営業法の立法趣旨に反する法解釈と運用を批判。「付帯決議の趣旨を踏まえ、指導を旨として過度な取り締まりはしないことを確認できますか」と迫りました。

 続けてたつみ議員は、全商連が実施した料飲街アンケートで、約7割の経営者が「接待基準を見直すべき」と回答したことを紹介。「解釈運用基準は法律ではない。警察庁が決めているもので警察庁の判断で変えられる。『まちのオアシス』として地域経済に貢献するスナック営業を応援し、憲法が保障する営業の自由が守られるよう力を尽くすべきだ」と是正を重ねて求めました。

 警察庁の小田部耕治審議官は「(風営法)付帯決議の趣旨を踏まえ都道府県警察を指導していく」と答弁。世耕弘成経産相は、2015年に風営法のダンス規制を見直した前例に触れ、「今日は本当に勉強になった。時代に適合しなくなった規制があれば、合理的なものにしていく見直しも必要」と規制見直しに言及しました。

まちのオアシス

 「街のスナックを守れ」。全商連は2017年11月7日、談笑やお酌だけでスナック経営者が逮捕される過度な取り締まりの是正を求めて院内集会を開催。▽バー・スナック等酒類提供飲食店を風営法の接待飲食店営業の対象から除外する▽警察庁の解釈運用基準を時代に合ったものに改正する▽衆参付帯決議を守り警察の立ち入りを適正化する――などを求めました。

 集会ではたつみコータロー議員があいさつし、「街のスナックを守る請願署名」を受け取りました。


(大阪民主新報、2019年4月14日号より)

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