大阪市 年収400万円(4人世帯)で4万円増
国保「都道府県化」で負担増
国保値上げ・消費増税やめよ
参院予算委 山下よしき議員が質問
日本共産党の山下よしき参院議員は25日の予算委員会で質問に立ち、安倍晋三首相に対し、今でも高すぎる国民健康保険(国保)料が、国が進める「都道府県化」でさらに引き上げられ、消費税10%増税になればダブルパンチになると追及。国保料引き上げと消費税増税ストップを求めました。
消費税増税でさらに負担
今でも高すぎるのに
国保の財政運営は、これまで市区町村ごとに行ってきましたが、山下氏は、安倍政権が昨年4月から進めている「都道府県化」で、今でも極めて高い国保料がさらに上がることを追及しました。
山下氏は、「都道府県化」の中で、都道府県が市区町村ごとに算定公表している標準保険料率に基づいた試算を紹介。大阪市の場合は、年収400万円4人世帯で、2018年度42万円だった国保料が46万円と4万円増に、年収240万円単身者は20万2千円が1万円増、年金280万円高齢者夫婦は16万7千円から1万6千円上がります。
山下氏は保険料引き上げの要因は、標準保険料率の算定では、保険料を抑えるために市町村が独自にやってきた一般会計から国保会計への繰入や、子育て世代や一人親世帯への減免も、「全てなしにして計算することになるからだ」と指摘。「そういう算定の仕方を都道府県にさせているのは国」だとし、「安倍政権が導入した国保の都道府県化で、今でも高い国保料がさらに値上げされようとしている。これでは国保加入者の生活が成り立たず、国保料を払えず滞納する人がますます増え、医者に行けない人、命を落とす人も増えるのではないか」と安倍首相にただしました。
法定外繰り入れ解消
安倍首相が、「国保の財政運営の都道府県化により、財政の安定化を図ったことに加え、年間3400億円の財政支援の拡充を行い、財政基盤を大幅に強化した。その中で保険料水準の激変緩和措置を講じている」と述べたことに対し、山下氏は、先の試算は3400億円投入後で試算したものだとし、厚労省が先進例と示している大阪府では、あと5年ですべての市町村を統一保険料にすると決めていると述べました。
山下氏は、財政制度審議会の平成31年度の予算編成等に関する建議には、「国保財政の都道府県単位化を機に速やかに運営の法定外一般会計繰入を解消」と書いているとし、北海道旭川市では、国保運営が道に移るのに合わせ、2018年度から市独自の保険料軽減制度を段階的縮小、24年度に廃止することを紹介しました。
消費増税で生活破綻
さらに山下氏は、国保料値上げと消費税10%への増税が「ダブルで国民生活に襲いかかることになる」とし、総務省の家計調査に基づいた試算を紹介。大阪市の場合は、国保料値上げを合わせると、年収400万円4人世帯で7万4千円、年収240万円単身者で2万8千円、年金暮らしの280万円高齢者夫婦で4万8千円の負担増になるとし、「これでは家計がもたない。国民生活が破綻するのではないか」と述べました。
中止できる財源ある
安倍首相が、消費税の引き上げについて、「伸びていく社会保障に対応するため」と答弁したのに対して、山下氏は、「消費税を増税しながら、今でも高い国保料をさらに値上げして医療を受けられない人を増やす。国民をだまし打ちにするようなやり方だ」と批判し、消費税増税も国保料値上げもやめるべきだと主張。大企業が中小企業並みに法人税を払い、富裕層の株のもうけに欧米並みに税金を掛けることなどで、消費税10%中止の財源にもなり、全国知事会が提言した公費1兆円投入による国保料大幅値下げへの財源も出てくることを示しました。
(大阪民主新報、2019年3月31日号より)