大阪府議会・大阪市議会が開会
カジノ誘致・都構想ノー
府民連・市対連がデモ
大阪府議会
府議会開会日の5月23日、府民連は府庁前で集会し、「カジノより暮らしを」「府民の暮らし最優先」など唱和しながら府庁周囲をパレードしました。
集会では菅義人大阪労連議長が開会あいさつし、日本共産党の石川多枝・内海公仁両府議が連帯あいさつしました。大商連と大保連、民青府委員会、あかん!カジノ女性アピールの代表がそれぞれ発言しました。
大保連の芳村慶子さんは、国家戦略特区限定で保育基準を切り下げる規制緩和が、府と大阪市の提案で行われていると告発しました。この「地域裁量型認可化移行施設」は、認可施設へ移行する認可外保育施設を財政支援するものですが、逆に認可保育園が保育士を減らすなどして認可外へ移行しても、補助の対象になります。
国の直接補助がない公立保育所が認可外へ移行すると補助の対象になることから、行政の役割が後退し、大阪の保育環境が悪化する可能性を芳村さんは指摘。子どもの安全や保育の質を守るため「共にがんばろう」と呼び掛けました。
大阪市議会
大阪市議会が開会した5月23日、大阪市対策連絡会議(市対連)と大阪府民要求連絡会(府民連)が大阪市北区内で昼休み集会や市役所包囲デモに取り組み、約50人が参加しました。
昼休み集会では、カジノ問題を考える大阪ネットワークの藪田ゆきえさんは、政府がカジノを核とする統合型リゾート(IR)の整備のための「基本方針」の公表を参院選以降に先送りする方針を固めたことで、維新が狙う2024年の大阪カジノ開業は、間に合わなくなると指摘しました。
大阪市をよくする会の福井朗事務局長は、大阪市を廃止・解体する「都」構想で住民サービスが低下するなど、「百害あって一利なし」と強調。「もし住民投票をやるなら返り討ちにしよう」と呼び掛けました。
日本共産党大阪市議団の山中智子幹事長、井上浩政調会長、寺戸月美、長岡ゆりこの各議員が参加。代表して山中氏が「市民の皆さんと手をつないで、必ず『都』構想をストップさせ、カジノをやめさせるために頑張りたい」と決意を語りました。
〝カジノ・都構想で成長〟
吉村知事・松井市長
5月府議会は23日開会し、本会議で議長に三田勝久氏(大阪維新の会)、副議長に西惠司氏(自民党)を選出しました。会期は6月6日まで。
日本共産党の石川多枝府議は総務常任委員会、内海公仁府議は教育常任委員会にそれぞれ所属します。
知事選後初の議会で吉村洋文知事が所信表明し、「大阪都」構想について「前に進めてよいとの信任をいただいた」と述べました。カジノを核とする統合型リゾート(IR)への投資や都市インフラの基盤整備が大阪の成長を加速させるとし、やりきるために不可欠な「都」構想の住民投票に「最大限の力を注ぐ」としました。
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大阪市議会が5月23日開会し、本会議で松井一郎市長(大阪維新の会代表)が、就任後初の施政方針演説を行いました。大阪市を廃止・解体する「大阪都」構想について、ダブル選で「民意」が示されたとして、法定協議会の議論を再開して「特別区」設置の設計図である協定書をまとめ、住民投票を実施する考えを示しました。
松井氏は、カジノを核とした統合型リゾート(IR)の誘致や2025年大阪万博の開催に向けて関連の巨大開発を進めると表明。「橋下・吉村市政の継承」を基本路線に、「民間でできることは民間に任せる」として、水道事業や大規模公園への「民間活力の導入」、府立大学と大阪市立大学の統合などを打ち出しました。
正副議長を選出 大阪市議会
大阪市議会は5月23日の本会議で、新議長に維新の広田和美氏(55)=福島区、4期=、副議長に自民党の有本純子氏(70)=中央区、6期=をそれぞれ選出しました。
24日には、常任委員会などの委員を選出。日本共産党議員の委員会所属は、次の通りです(敬称略)。
常任委員会 財政総務=山中智子、教育こども=長岡ゆりこ、民生保健=寺戸月美、都市経済=井上浩/特別委員会 万博推進=井上浩、大都市・税財政=山中智子、環境対策=井上浩/大都市制度(特別設置)協議会=山中智子
暮らしないがしろにする維新政治
石川共産党府議団長 府民の共同進める
日本共産党の石川多枝府議団長は吉村洋文知事の所信表明を受け、コメント「府民の暮らしをないがしろにする維新府政をかえる府民の共同を」を発表しました。
吉村知事の所信表明は府民生活にほとんど触れず、児童虐待は喫緊の課題であるとして知事をリーダーとする会議体をつくると述べましたが、コメントは「すでに足りていない子ども家庭センター職員の増員は全く視野に入ってい」ないと指摘します。
また「災害への府民の不安が払拭されていないもとで、(吉村知事が)掲げた災害対策は消防の一元化であり、被災者生活再建支援の拡充や強化は全く盛り込まれてい」ないと告発します。
吉村知事は「大阪の成長により得られた果実は府民の暮らしの充実につなげる」と述べましたが、コメントは「維新府政の10年は、果実が府民の暮らしを潤すどころか、『大阪の成長』の名の下に府民生活や福祉、教育を切り捨てるものでした」とし、「暮らし、福祉、教育、子育ての応援、中小企業の支援強化で大阪の成長をつくるために、府民との共同をさらに広げ、維新政治と対決する決意」を述べています。
(大阪民主新報、2019年6月2日号より)