おおさかナウ

2019年06月08日

森友事件
広く公開し議論の対象に
国有地売買額不開示は違法
大阪地裁 原告が一部勝訴

売却をめぐる疑惑が発覚し、再び国有地になった森友学園の小学校建設地=ことし1月、豊中市内

売却をめぐる疑惑が発覚し、再び国有地になった森友学園の小学校建設地=ことし1月、豊中市内

 学校法人「森友学園」(大阪市淀川区)の国有地売却にあたっての売買代金額などを一時不開示とされ、精神的苦痛を受けたとして、木村真豊中市議(無所属)が国に11万円の損害賠償を求めた行政訴訟の判決で、大阪地裁(松永栄治裁判長)は5月30日、売買代金を不開示としたことは違法だとし、国に対し3万3千円の支払いを命じました。

 判決などによると、財務省近畿財務局は2016年6月、土地評価額の9億5600万円からごみの撤去費用約8億円などを差し引き、1億3400万円で学園に国有地を売却。木村市議が情報公開請求した学園への売買契約書の重要部分が黒塗りされていたことから、不開示の取り消しを求めて17年2月に提訴しました。国が一転して開示したため、国家賠償請求に切り替え、不開示が違法かどうかが問われていました。

 松永裁判長は国有財産の売却額について、「原則として公表する必要がある」とし、「近畿財務局長が、職務上尽くすべき注意義務を尽くしていれば、売買代金等が不開示情報に該当しないことは容易に判断できた」と指摘、売買代金等の不開示は違法と認定しました。

 一方、契約条項の一部を不開示にしたことについては、土壌汚染や地下埋設物などに関する瑕疵が存在することを学園側が了承した上で買い受けたことが記載されていること、地中の土壌汚染については、たとえ浄化完了後であっても保護者に心理的嫌悪感を与え、学園の利益を害するおそれがあることは「否定しがたい」とし、「不開示情報に該当するという見解も十分にありうる」として、近畿財務局に「合理的な根拠があった」と判断。一部勝訴、一部不当判決となりました。

(大阪民主新報、2019年6月9日号より)

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